"No Scrubs"を手掛けたエクスケイプのメンバーが振り返る。「この曲を渡したことは、これまでで最高の出来事だった」
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- 3月8日
- 読了時間: 4分
更新日:3月12日

Xscapeのメンバーが手がけた"No Scrubs"
TLCが'99年にリリースした"No Scrubs"は、それまでのR&Bとは一線を画する近未来的なサウンドで話題を集め、2000年というミレニアムを目前に控えた時代に、R&B新時代の到来を予感させた歴史的な1曲。
TLC - No Scrubs
第42回グラミー賞「Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocal」を受賞したこの"No Scrubs"は、"Just Kickin' It"、"Who Can I Run To"などのヒットで知られる女性R&BグループXscapeのメンバー、Kandi BurrussとTameka Cottleの二人がソングライターとして制作に携わった楽曲。
Xscape - Who Can I Run To
TLCと同じ'90年代にデビューしたXscapeは、'90年代に3枚のアルバムを残し、'98年に発表したサード・アルバム『Traces of My Lipstick』をリリース後に一時活動を停止。
Xscapeの活動がひと段落した'98年、曲のインスピレーションを求めて女友達とドライブへ出かけたKandi。
その車内で流れていたのは、数日前に友人のKevin "She'kspere" Briggs("No Scrubs"のプロデューサー)から渡されていた、"No Scrubs"のトラックだったという。
「NPR」の記事で、Kandiは当時の様子を次のように回想。
「リリックも無し、メロディも無し、ただの音楽だけ。ドライブ中に最高のアイデアが思い浮かぶから、車の中でトラックを聴くのが好きなの」
Kandiと友人は、当時交際していたボーイフレンドの陰口を言い合い、Kandiはトラックに合わせてフリースタイルを始め、その流れで「ダメ男批判曲」である"No Scrubs"の原型が生まれたとのこと。
そして、このアイデアをXscapeのメンバーTamekaに共有してデモを録音。
実は当初、"No Scrubs"はXscapeの今後のプロジェクトとして制作したという。

「"No Scrubs"をTLCに渡したことは、恐らくこれまでで最高の出来事だった」
グループが活動停止状態だったとはいえ、TLC、SWV、En Vogueらと並び、'90年代に最も成功した女性R&Bグループとして知られるXscape。
Kandi BurrussとTameka Cottleが、自分達の曲として"No Scrubs"を制作するのは当然の流れ。
しかし、作られたデモ音源が関係者に渡っていく中、この曲がL.A. Reidの耳に留まり、Kandiは「Entertainment Weekly」の記事で当時の様子を次のようにコメント。
「L.A. Reidは、TLCに"No Scrubs"を歌わせることにこだわっていた」

L.A.の他にも、この曲に大いなる可能性を感じた周囲の人々から、Xscapeよりもっと大きなグループへ渡すべきだと説得されたというKandiとTameka。
TLCと同じ時代に凌ぎを削り合っていたXscapeだけに、当初はこの意見に当然反対したものの、最終的にはTLCへと渡されることになった"No Scrubs"。
ちなみに、Kandiは以前から他のアーティストへの楽曲提供を望んでいたという。
しかし、L.A.から「この曲は君のキャリアで最大のレコードにする」と告げられた時、彼女は内心こう思っていたとのこと。
「あなたが何と言おうと、Xscapeはいくつかのビッグ・ヒットを持っている」

もしXscapeが"No Scrubs"を歌っていたら?
もちろん、彼女たちの代表曲の一つになり、もしかするとTLC以上のヒットを記録していた可能性も否定はできず。
それでもKandiとTamekaは、Xscapeとして“No Scrubs”を歌うプライドよりも、曲そのものが持つ可能性を優先させることに。
当時の心境を、「Bravo TV」の記事でTamekaは次のようにコメント。
「"No Scrubs"をTLCに渡したことは、恐らくこれまでで最高の出来事だった。この曲が私にグラミー賞を与えてくれた。そして、私たちはただのアーティストではなく、グラミーを受賞したソングライターとして見られるようになったわ」

ソングライターという新しい一面で評価され、結果的に"No Scrubs"をTLCに渡したことが正解だったと振り返ったTameka。
"No Scrubs"は、他者へ提供された楽曲が歴史的成功を収めた象徴的な例であり、KandiとTamekaの潔さが導いた、あまりにも劇的なストーリー。

“No Scrubs”とは、自分をカッコいいと勘違いしている男性を指すスラング「Scrub」を否定した言葉で、つまり一言で言えば「ダメ男はお断り」という意味。
この曲に対して、有名メディアは次のように絶賛。
自分がデート出来る男性に対して、痛烈な批判を浴びせた曲
Vibe (Natelege Whaley)
スリンキーでアコースティックなR&Bスマッシュ
Daily Record (John Dingwall)
魅力の無い人と寝る気は無いと歌った史上最高の曲
NME (Steve Chick)
リリースされた当初は、その歌詞の内容から大きな批判が集まったものの、メンバーのChilliはこの曲について「男性全般を批判した曲ではない」と言及しており、あくまで「仕事をせずに他人に依存している男性へのバッシング」が題材とのこと。
そんな"No Scrubs"は、全米シングル・チャート1位を達成し、また'99年のビルボード年間シングル・チャートで2位にランクインするなど、結果的にはTLC最大のヒット曲に。
Billboard Year-End Hot 100 singles of 1999
1. Believe - Cher
2. No Scrubs - TLC
3. Angel of Mine - Monica
4. Heartbreak Hotel - Whitney Houston feat Faith Evans and Kelly Price
5. ...Baby One More Time - Britney Spears
また、Ed Sheeranが2017年に発表したシングル"Shape of You"が、TLCの"No Scrubs"に似ているという比較を受け、Ed側が後に"No Scrubs"のソングライター達を"Shape of You"のクレジットに追加したことでも話題に。
ちなみに、TLCが"No Scrubs"をTVで世界初披露したのは、日本の音楽番組「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」だったとのこと。





































