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ミックスがすり替わっていたトゥループの"Spread My Wings"。「全く違うサウンドになってしまった」

  • 執筆者の写真: R&B SOURCE
    R&B SOURCE
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:19 時間前


Chuckii Bookerのミックスが採用されなかった"Spread My Wings"


R&BグループTroopが、'89年にリリースしたアルバム『Attitude』からのシングル"Spread My Wings"は、彼らが初めて全米R&Bシングル・チャートを制した楽曲。


Troop - Spread My Wings

この曲をプロデュースしたのが、Janet Jacksonの「Rhythm Nation World Tour 1990」で音楽監督を務めたことでも知られるChuckii Booker。


実はこの曲、プロデューサーであるChuckii自身がミックスを担当したものの、最終的には彼のミックスは採用されず、別人によるミックスが使われることになってしまったとのことで、この件に関してChuckiiは「Halftime Chat」のインタビューにて次のようにコメント。

「俺はTroopの"Spread My Wings"のミックスもやったんだ。だから『このレコードに、俺のミックスを入れて欲しい』ってマネージャーに伝えたら、彼は『分かった』と言った。でもレコードがリリースされた時、それは全く別のミックスで、[Atlantic Records]で働いていたMerlin Bobbによるミックスだったんだ。俺のサウンドじゃなかったし、俺らしくなかったから、彼のミックスが大嫌いだった。俺のミックスはもっと無形の要素が絡んでいたんだ。イコライザーも違うし、ブレイクも違うし、全てが違うから、全く別のサウンドになってしまった。"Spread My Wings"がヒット曲だということは誰もが知っていたから、あいつはただ自分の功績を残したかっただけだと思う。許して忘れるべきだとは思うけど、俺は忘れない。だって、あの曲は俺のサウンドだったから」
Chuckii Booker
Chuckii Booker

ミックスとは、個々の音を整理し、調和させることで、楽曲の意図や迫力を最大限に引き出し、リスナーに届く「音楽」として完成させる不可欠な工程であり、またエンジニアの感性や手法によって、楽曲の印象は劇的に変わってしまうため、ミックスは単なる作業ではなく、楽曲の最終的な個性を決定づける「クリエイティブな表現」そのもの。


"Spread My Wings"は、Chuckiiが生み出した楽曲であり、そしてその世界観を完全に表現するため、自らがミックスを行うことにこだわったものの、それが実現しなかったことに対して強い憤りを覚えたChuckii。


つまり、私たちが耳にしてきた“Spread My Wings”は、Chuckiiが本来思い描いていたサウンドではなかったということに。


ちなみにMerlin Bobbとは、ニューヨークの伝説的クラブ「Shelter」の共同創設者であり、[Atlantic Records]などで副社長を務め、Missy Elliottらの発掘にも関わった音楽エグゼクティブ。

Merlin Bobb
Merlin Bobb

Chuckiiが語った内容によると、当時[Atlantic Records]の上級副社長を務めていたSylvia RhoneのアシスタントをMerlinが務めていたことから、彼のミックスを聴いたSylviaが最終的に許可を出したという。


一方で、Chuckiiはこの曲のリミックスについてこのようにコメント。

「この曲のリミックスをClark Kentがやったんだけど、これは素晴らしい出来で、この曲のミュージック・ビデオに使われた。ストリート風で、とにかく素晴らしかった」

Troop - Spread My Wings (Clark Kent Radio Mix)



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