
"...Baby One More Time"のオファーを断ったTLC
全米シングル・チャートを制した楽曲をこれまでに20曲以上手掛け、また以下の歴史的ヒット曲の制作を請け負ったスウェーデン出身の音楽プロデューサーMax Martin。
・Backstreet Boys - I Want It That Way
・Justin Timberlake - Can't Stop the Feeling!
・Normani - Motivation
・Ariana Grande - No Tears Left to Cry
・The Weeknd - Out of Time
大物アーティスト達の成功を支え続ける、押しも押されもせぬポップス界の超大御所プロデューサーですが、そんなMax Martinの出世曲として有名な1曲が、'98年に発表されたBritney Spearsのデビュー・シングル"...Baby One More Time"。
...Baby One More Time
Britney Spears
iTunes: https://apple.co/3N84YXX
全米シングル・チャートを制したほか、第42回グラミー賞「Best Female Pop Vocal Performance」にノミネートされるなど、Britney Spearsの完璧とも言えるデビューを飾ったこの"...Baby One More Time"は、元々TLCに提供される予定だったとのこと。

当初この曲は、コーラス・パートの最後の部分で歌われるあの印象的な「Hit me, baby, one more time」というフレーズをそのまま使用し、"Hit Me Baby One More Time"という曲名でリリースが検討されていたものの、「Hit Me (私を叩いて)」という箇所が暴力的な意味を想起させるとの理由で、「Hit Me」を濁す形で「...」と変更されたとのこと。
TLCがこの曲を拒んだ理由もこの歌詞の部分だったようで、後にTLCのメンバーT-Bozは「私はあの曲は好きだった。でも『叩く』ってどうなの?私は『Hit me, baby, one more time (もう一回私を叩いて)』なんて歌いたくなかった。Britneyをリスペクトしていないわけじゃないの、彼女にとっては良かったと思う」とコメント。
ちなみに「Hit me」とは「叩く」という意味以外にも、「電話して」という意味でも用いられ、"...Baby One More Time"は女性が復縁を願う内容を歌っている為、「Hit me, baby, one more time」は「もう一度私に電話して」という使われ方。
プロデューサーのMax Martinがスウェーデン出身だった為、「Hit」を「Call」のスラングだと勘違いしていたことが、T-Bozの誤解を招いてしまった原因のようで、もしT-Bozが歌詞の真意を理解していたら、"...Baby One More Time"はTLCが歌っていたかもしれないですね。