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なぜLeft Eyeは、TLCのデビュー曲「Ain't 2 Proud 2 Beg」のMVで、眼鏡にコンドームを付けていたのか?

執筆者の写真: R&B SOURCE
R&B SOURCE
8月29日
読了時間: 4分

Left Eyeが"Ain't 2 Proud 2 Beg"のMVでコンドームをつけていた理由とは?

眼鏡にコンドームを付けていたLeft Eye


Music Videoの冒頭だけでなく、後半でもメンバーの名前が繰り返し表示された「Ain't 2 Proud 2 Beg」は、TLCの3人を強く印象づける「自己紹介」としての要素も盛り込まれたデビュー・シングル。


'91年11月にリリースされたこの曲は、同年の4月にリリースされたBoyz II Menのデビュー・アルバム『Cooleyhighharmony』のメイン・プロデュースを担当した、Dallas Austinが手がけた楽曲。

TLCのデビューを支えたDallas Austin
Dallas Austin

Dallas AustinとTLCのメンバーT-Bozは、TLC結成前からの知り合いで、2人はアトランタのスケートリンクで交流を深めていたという。


Dallasは、TLC結成前の彼女たちについて、「Songwriter Universe」のインタビューで次のようにコメント。

「T-Bozのことは知っていた。彼女がTLCに加入する前から、よく一緒に遊んでいたんだ。ある日、L.A. Reidから電話がかかってきて、『なぁ、君にやってほしいグループがあるんだ。ちょっと見に来ないか?』って言われたんだ。それでTLCのメンバーと会ったんだけど、アトランタは小さな街だから、彼女達のことはもう知ってたよ。だから俺は『彼女達に何をすればいいか分かってるよ』ってL.A. Reidに言ったんだ。当時Bell Biv DeVoeやAnother Bad Creationが人気だったけど、その女性版はまだいなかったから、TLCはそういうグループになるべきだと思ったんだ。楽しくて活気のあるグループにしたかった」

「Ain't 2 Pround 2 Beg」が残した功績は以下の通り。


Ain't 2 Proud 2 Beg

全米シングル・チャート

6位

全米R&Bシングル・チャート

2位

'92年年間シングル・チャート

36位

全米売上枚数

約120万枚

グラミー賞

1部門ノミネート

曲名の「Ain't 2 Proud 2 Beg」を直訳すると「お願いすることは恥ずかしくない」と言った意味。


女性から愛やスキンシップを求めることに恥じない姿勢を表現した、デビュー曲ながらセクシーな内容を歌った過激な曲。


そして、この曲で何よりも衝撃的だったのが、ラップ担当のLeft EyeがMusic Videoで披露した目元。


「左目」という意味のニックネームで親しまれたLeft Eyeの、まさにその左目にコンドームを付けた眼鏡をかけて登場するという、あまりにも異彩を放った演出が、当時大きな波紋を呼ぶことに。

TLCのデビュー曲「Ain't 2 Proud 2 Bed」で、コンドームをつけたメガネを着用していたLeft Eye
Left Eye

ただ注目を集めるための過剰なアピールではなく、Left Eye自身が「Safe Sex (安全なセックス)」という考え方を強く持っていたことも、この演出に至った理由のひとつ。


実際、Music Videoの中にも「Safe Sex」というメッセージが登場。


そして、このMusic Videoが撮影された'91年というタイミングも大きく関係。


当時はHIV/AIDSが深刻な社会問題となっており、'91年11月7日には、NBAのスーパースターMagic Johnsonが自身のHIV感染を公表し、世界中に大きな衝撃を与えることに。


そんな時代背景の中で、Left Eyeは「コンドーム」を単なる小道具としてではなく、「Safe Sex」を象徴するメッセージとして身につけていたと言えそう。

Magic JohnsonがHIV感染を公表する以前、セックスや性感染症について公に語ることには、まだ大きな抵抗感があったという。


そんな時代に、セックスをテーマにした「Ain't 2 Proud 2 Beg」をデビュー・シングルとして送り出し、さらにMusic Videoではコンドームを大胆にアピールしたTLC。


そこへMagic JohnsonのHIV感染公表が重なったことで、結果的にTLCへの関心も一気に高まっていくことに。


とはいえ、当時まだ何の実績もないTLCが、デビュー・シングルでセックスについて歌い、コンドームを前面に押し出すという戦略は、かなりハイリスク・ハイリターンだったようにも思えるものの、そんな大胆な表現に踏み切れた背景には、恐らくSalt-N-Pepaによる先行例があってこそ。


「Ain't 2 Proud 2 Beg」に先駆け、'91年8月にリリースされたSalt-N-Pepaの「Let's Talk About Sex」は、その名の通りセックスをテーマにした楽曲。


そこには、「この曲はラジオでプレイしてもらえないかもね」という歌詞まで登場するほど、当時の女性アーティストがセックスについて歌う楽曲としては、かなり踏み込んだ内容。


Salt-N-Pepa - Let's Talk About Sex

一方で、多くのラジオ局は「Ain't 2 Proud 2 Beg」のオンエアを拒んでおり、Dallasは当時の状況を次のように回想。

「俺が'Ain't 2 Proud 2 Beg'を書いた時、面白いことにこの曲の歌詞のせいで、ラジオ局はこの曲を流さなかったんだ(恐らくコーラスの箇所で、男性の性器の大きさや状態について歌っているため)。それでレーベル側は『Music Videoを先に出したらどうだろう?』って考えたんだ。それを見れば、彼女達が攻撃的なことを言っていないことが分かるからね。そしてMusic Videoを見た人達は『あぁ、分かったよ。彼女達は下品じゃない。これがTLCなんだ』って言ってくれたよ」

TLC - Ain't 2 Proud 2 Beg




 

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