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Mary J. Blige「Real Love」の制作秘話|Cory RooneyとPuffyが激突。「お前狂ってるのか?変えるな」

執筆者の写真: R&B SOURCE
R&B SOURCE
3 日前
読了時間: 5分

Mary J. Bligeの代表曲であり、ヒップホップ・ソウルの歴史を作った"Real Love"

Mary J. Bligeに会う2年前に書かれていたという「Real Love」


ヒップホップの重厚なビートの上に、R&Bのボーカルを加えた、'90年代を象徴するR&Bのトレンドのひとつ「ヒップホップ・ソウル」


このサウンドを一気にメインストリームに押し上げたのが、「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」の称号を与えられたMary J. Bligeで、彼女の代表曲「Real Love」こそ「ヒップホップ・ソウルの原点」とも言える歴史的な一曲。


この曲をプロデュースしたのが、Prince Markie Dee名義でラッパーとして活動していたMark Moralesと、後にJennifer Lopezの「All I Have feat. LL Cool J」「Love Don't Cost a Thing」などを手がけるCory Rooneyの2人。


実はこの「Real Love」、彼らがMaryに会う2年前に書いた曲だったという。


当時の状況について、Coryは「EBONY Magazine」のインタビューで次のようにコメント。

「当時、俺とMarkはFather MCの制作をしていて、他にも[Uptown Records]の仕事をいくつか請け負っていたんだ。あの頃は[Uptown Records]がみんなのたまり場になっていて、朝起きたら『よし、[Uptown]行こう』っていう感じだったよ。ある日、[Uptown Records]のA&RだったKurt Woodleyから、Jeff Reddを介してMary J. Bligeを紹介された。彼らは俺達の助けが必要だと言ってきて、Maryを俺達の家に連れてきたんだけど、俺達は既にいくつかの曲を書いていたんだ。その中の1つが'Real Love'で、この曲は彼女に会う2年前に書いた曲だよ。これが全ての始まりさ」

Mary J. Blige - Real Love



「お前狂ってるのか?変えるな」


「Real Love」がヒップホップ・ソウルと呼ばれた所以の1つは、この曲が'80年代に活躍したヒップホップ・ユニットAudio Twoの「Top Billin'」のビートをサンプリングしたことにあり、これはプロデューサーのCory RooneyとMark Moralesのアイデア。


しかし、当のCoryとしては、あくまで試験的に「Top Billin'」をサンプリングしたに過ぎなかったという。


そのことから、「'Real Love'を正式にリリースするならビートを作り替えたい」と考えていたものの、これに真っ向から反対したのが、当時[Uptown Records]のA&Rとして、Mary J. Bligeを担当していたSean "Puffy" Combs。

「俺はPuffyに、サンプリングを取り除いて、ビートを作り直したいと伝えたんだ。そしたら彼は『ダメだ、ダメだ、ダメだ!』と言ってきた。俺は自分でドラムを作れるのに、自分の出版権をAudio Twoに渡すつもりはないと伝えたら、『それがこのレコードを素晴らしいものにするんだ。これがヒップホップにするんだ。お前狂ってるのか?変えるな』と言われたんだ。もちろん俺はこの場で引き下がるつもりは無かったけど、俺のパートナーであるMarkはPuffy側についてしまった。だから俺はスタジオを出て、『あの馬鹿げた曲に俺の名前を付けるな』と言った。でも、彼らが俺に注意を払わなかったことに感謝しているよ。

Audio Two - Top Billin

Markはヒップホップ・ユニットThe Fat Boysのメンバーで、R&Bの歌詞を書いたことが無いラッパーだった。彼は部屋の反対側に座り、メモとペンを持って歌詞を書き始め、突然俺のもとにやってきて『笑わないでくれ』と言ってきた。Markは俺が作業していた楽曲に歌詞を書いており、俺は笑うつもりは無いと伝えたら、彼は'Real Love'の最初の4行を歌い始めたんだ。それはほとんどラップのようだったけど、俺は『最高だ』と言った。その後にメロディをつけてブリッジを追加し、この作業はとても速くまとまったよ」
Mary J. Bligeの名曲"Real Love"のプロデュースを担当したCory Rooney
Cory Rooney

結果的にPuffyの狙いは的中し、「Real Love」は全米シングル・チャート最高7位を記録し、'92年のビルボード年間シングル・チャートでも85位にランクイン。


また、「Rolling Stone」が選ぶ「歴代最高の500曲」の第372位に選出されるなど、'90年代R&Bを象徴する名曲として高く評価されることに。


Billboard Year-End Hot 100 singles of 1992

1. End of the Road - Boyz Ⅱ Men

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81. Take This Heart - Richard Marx

82. When I Look Into Your Eyes - FireHouse

83. I Wanna Love You - Jade

84. Uhh Ahh - Boyz II Men

85. Real Love - Mary J. Blige

86. Justified and Ancient - The KLF

87. Slow Motion - Color Me Badd

88. What About Your Friends - TLC

89. Thinkin' Back - Color Me Badd

90. Would I Lie to You? - Charles & Eddie


そしてCoryは、「Turning Point」のインタビューで、Puffyについて次のように言及。

「あのとき、誰のためにレコードを作り、誰に気に入ってもらおうとしているのか、ようやく分かったんだ。俺が喜ばせるべき相手は、まさにPuffyだったんだよ。つまり俺は、リスナーの好みを理解していた彼に反論していたわけだ。そして、彼に言い負かされたことで、大きな教訓を得たよ」

また、「Real Love」をレコーディングした時の様子について、Coryは次のように回想。

「Maryはストリート出身の女性であり、ストリートの女性たちが抱える痛みを歌う存在だった。当時の彼女は、業界の多くの人間に利用されていた。だから'Real Love'のような曲が彼女の状況を表現してたんだ。 ある日、彼女は目に涙を浮かべて『一度だけでもいいから本物の愛を手に入れたい』と言ってきた。あの時の彼女は非常に感情的で、レコーディングの途中にボーカル・ブースから何も聴こえなくなることもあり、彼女がその場からいなくなったのでは無いかと思うほどだった。それだけ彼女の感情があらゆる制御を奪ってしまったんだけど、このレコードが彼女にとって本物の人生のレコードになり始めたと思う」

ちなみに、後に発表されたリミックス・バージョンには、デビュー前のThe Notorious B.I.G.が参加しており(この時の名義はBig E. Smalls)、このリミックスが彼の知名度を押し上げるきっかけに。


Mary J. Blige - Real Love (Hip-Hop Club Mix) feat. Big E. Small





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