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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Usher|"Yeah!"のトラックを、ピティ・パブロにも渡してしまったリル・ジョン。


usher yeah petey pablo

2004年の年間チャート1位を達成した"Yeah!"


12週連続で全米シングル・チャート1位をキープし、また2004年の年間シングル・チャートでも堂々の1位を達成したUsherの歴史的大ヒット曲"Yeah! feat. Lil Jon, Ludacris"は、Usher通算4枚目のアルバム『Confessions』からのファースト・シングルとしてリリースされた楽曲。


Billboard Year-End Hot 100 singles of 2004

1. Yeah! - Usher feat Lil Jon, Ludacris

2. Burn - Usher

3. If I Ain't Got You - Alicia Keys

4. This Love - Maroon 5

5. The Way You Move - OutKast feat Sleepy Brown

6. The Reason - Hoobastank

7. I Don't Wanna Know - Mario Winans feat Enya, P. Diddy

8. Hey Ya! - OutKast

9. Goodies - Ciara feat Petey Pablo

10. Lean Back - Terror Squad feat Fat Joe, Remy Ma


「Yeah! 彼女がかがみながら『こっちにきて私を捕まえて』って言ったんだ。


Yeah! 俺は彼女に夢中になって、忘れてたんだ。


Yeah! 彼女と俺のガールフレンドが、親友だってことを。


Yeah! 気がついたら、彼女が俺の上に乗って叫んでいたよ」


2000年代当時、人気絶頂だったプロデューサー/ラッパーLil Jonがプロデュースを担当した"Yeah!"は、「Crunk&B*」を象徴する1曲として一世を風靡。


*電子音と低音の効いたベースラインの上にMCのシャウトを組み合わせた「クランク」、そして「R&B」を組み合わせたLil Jon発案の音楽ジャンル。


時代を創ったUsherの代表曲の1つですが、当初"Yeah!"のトラックはPetey Pabloの"Free-A-Leek"が使用される予定だったとのこと。


Yeah! feat. Lil Jon, Ludacris

Usher



UsherとPetey Pabloの2人に、同じトラックを渡してしまったLil Jon


『Confessions』を制作していた時、UsherはJam & Lewis, The Neptunes, Just Blazeら著名プロデューサー達と共に作業を進めていたものの、当初2003年11月に予定されていたアルバムのリリース日が近づいても、アルバムを爆発的にヒットさせる起爆剤となる曲が生まれておらず、『Confessions』のリリース元である[Arista Records]の当時のトップL.A. Reidは、アルバムのリリース日を2004年3月にまで延期することを決定し、いくつかの曲を追加するようにと指示されたUsherは、Lil Jonを迎えてシングル曲候補を制作。


『Confessions』の制作前、Lil JonはThe East Side Boyzとのコラボレーション・アルバム『King of Crunk』を2002年に発表し、同アルバムは全米アルバム・チャート最高14位を記録するなど、クランク・サウンドの発案者として当時最も多忙を極めたアーティストの1人。


そんな当時のLil Jonは、Usherに"Yeah!"のラフ音源を渡し"Yeah!"の制作を進めていたところ、ある問題が発覚。


あまりにも忙しかったLil Jonは、誰にどのビートを渡していたかを全て把握出来ておらず、UsherとラッパーPetey Pabloに同じトラックを渡してしまい、それがPetey Pabloが2003年に発表した"Feeek-A-Leek"のトラックだったとのこと。

Lil Jonは、Petey Pabloが"Freek-A-Leek"で使用したトラックを、Usherの"Yeah!"に使用するつもりだったようで、しかしLil JonはこのトラックをPetey Pabloに渡していたことを忘れており、気付いた時にはPetey Pabloは既に曲を作り終え、既にレコード盤もプレス済み。


しかも、この時点で既に"Freek-A-Leek"はラジオでも好評だったようで、リリース元である[Jive Records]は"Freek-A-Leek"に多額の投資をしたのでリリースを諦めなかったと「Entertainment Weekley」の記事に書かれていることから、Lil Jonは"Freek-A-Leek"のリリースを見直すようかなりゴネたと思われるものの、結果的にLil Jonが諦めて新しいトラックを作り直し、その作り直したトラックがあのUsherの"Yeah!"になったとのこと。



"Yeah!"にするか、"Burn"にするか


結果的に、"Yeah!"は第47回グラミー賞「Best Rap/Sung Collaboration」を受賞するほどの大ヒット・ソングになったものの、Usherは当時流行していたクランクを取り入れること自体、安易なアイデアではないかと不安に感じており、事実Usherは"Yeah!"が『Confessions』からのファースト・シングルに相応しいか懐疑的だったようで、L.A. Reidも同じ考えだったとのこと。


当初、『Confessions』からのファースト・シングルは"Burn"を考えていたようで、みんな、最初の一歩を踏み出すのを怖がっていたと語ったのは、Usherの友人であり、UsherやTLCのA&Rを担当していたKawan "KP" Prather。

彼は、L.A. Reidによって発掘されたヒップホップ・ユニットParental Advisoryのメンバーでもあり、また[LaFace Records]のA&R担当副社長も務めた人物で、過去のインタビューにて『Confessions』制作時の様子を次のようにコメント。

「"Burn"は素晴らしい曲だけど、『この曲で歴史を作れるか?』という意見もあった。そんな時にLil Jonの曲が出てきたけど、これはこれで使うかどうかかなり迷ったんだ。トレンドを追うこと、たとえば『クランクが流行ってるからやってみよう』というのは避けたかったし、Usher自身もクランクをやりたがったけど、『R&Bとしてやりたいことを妥協していないか』という不安も感じていた。彼は『トレンドを追うことは、近道をしているんじゃないか?』と言っていたけど、俺は『いや、もし君がそれを正面からやるなら問題ない』と伝えた。彼はただクランクをやったのではなく、自分自身を貫いて素晴らしいレコードを作ったんだ」

この時点では、"Yeah!"と"Burn"のどちらをファースト・シングルにするかは決まらなかったようで、しかしこの議論は、Lil Jonが"Yeah!"の音源を全国のDJにリークしたことで収束することに。


Kawan Pratherは、続けて次のようにコメント。

「"Yeah!"は2003年のクリスマスに出回り始めたんだ。レコード会社はクリスマス休暇に入っていたんだけど、俺達が1月に仕事に戻った時、"Yeah!"は既に何千回もラジオで流れていたんだ。誰もプロモーションをしていないのに、こんなことが起きるなんて前代未聞だった。それはつまり、人々が"Yeah!"を求めていたということの証明だった」

Confessions

Usher




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