Usherの「U Remind Me」は、ある男性R&Bグループが歌う予定だった楽曲。
- R&B SOURCE

- 7月8日
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失敗からスタートした『8701』
2001年に発表された、Usher通算3枚目のスタジオ・アルバム『8701』
このアルバムに収録された「U Remind Me」は、全米シングル・チャート1位を獲得したほか、Usherに自身初となるグラミー賞をもたらした代表曲のひとつ。
Usher - U Remind Me
この曲が残した偉大なる功績から、『8701』からのファースト・シングルというイメージが強い「U Remind Me」
しかし、実際に最初にシングル・リリースされたのは、TLC「No Scrubs」を手がけたKevin "She'kspere" Briggsプロデュースの「Pop Ya Collar」(この曲は『8701』のインターナショナル盤のみに収録)。
・Pop Ya Collar (2000)
・U Remind Me (2001)
Usher - Pop Ya Collar
当初、『8701』は『All About U』というアルバム名で2000年の後半にリリースが計画されており、『All About U』からのファースト・シングルとしてリリースされたのがこの「Pop Ya Collar」
しかし、この曲を含む複数の曲が、リリース前に音楽ファイル共有サービス「Napster」上にリークされてしまい、その影響もあってか、「Pop Ya Collar」は全米シングル・チャート最高60位という結果止まり。
この「Napster音源流出事件」に関して、Usherは当時次のようにコメント。
「俺の曲がこんな形でファンに届くことを望んでいなかった」
その後、『All About U』は度々発売が延期されたものの、結果的に2001年8月7日にアルバム名を『8701』に変更してリリースされ、同アルバムは全米アルバム・チャート最高4位を記録する大ヒット。
Usher - 8701
ちなみに、アルバム名『8701』の読み方は「エイティセブン・オー・ワン」と読み、この数字はUsherが初めて公の場で歌を披露した'87年と、このアルバムがリリースされた2001年('01年)を組み合わせた数字だという。
『8701』の米国リリースが2001年8月7日だったことから、当初は「リリース日をアルバム名にしたのでは?」という憶測が飛び交ったものの、Usherの広報担当者によるとそれはただの偶然で、アルバム名の由来とは何の関係もないとのこと。
そんな『8701』を成功に導いたのが、この一連のゴタゴタを全て払拭したと言っても過言ではない「U Remind Me」の存在。
実はこの曲、元々Usherではなく、あるR&Bグループが歌う予定の楽曲だったという。

R&BグループHustlechildが歌う予定だった「U Remind Me」
不完全燃焼となった「Pop Ya Collar」の結果を受けて、『8701』の制作に関して神経質になっていたのがUsherの母親。
彼女は2000年の「MTV Video Music Awards」にてある人物にラブ・コールを送っており、それがプロデューサー・デュオのJam & Lewis。
Usherの母は、112のDaron Jonesがすでに制作していた「Separated」のプロデュースをJam & Lewisに依頼したかったという。
Jam & Lewisは基本的に、制作の初期段階から自ら携わった楽曲のみをプロデュースするスタイルを貫いており、しかし'96年にサウンドトラック『Kazaam』収録の「I Swear I'm in Love」を手がけて以来、Usherとの再共演を楽しみにしていたこともあり、このオファーを受け入ることに。

結果的に、Jam & Lewisは『8701』で「Separated」以外にも複数の楽曲を担当することになり、「U Remind Me」もそのうちのひとつ。
しかし、「U Remind Me」はJam & Lewisがゼロから作り上げた楽曲ではなく、Jam & LewisとともにプロデューサーとしてクレジットされているEdmund "Eddie Hustle" Clementが生み出した楽曲。
あまり聞き馴染みのないEdmundは、112やChanging Facesの楽曲を手がけてきたプロデューサー/ソングライターであり、3人組男性R&BグループHustlechildのメンバーとしても活動していた人物。
実は「U Remind Me」は、もともとEdmundがHustlechildのために書き下ろした楽曲だったといいう。

Hustlechild自体、ほぼ忘れ去られてしまったようなR&Bグループながら、2002年に[Warner Music]の傘下レーベル[Elektra]からシングル「I'm Cool」でメジャー・デビュー。
当時、日本の音楽メディア「BARKS」も、次のような見出しで彼らのデビューを報じるなど、期待値はかなり高かった男性R&Bグループ。
「アッシャー「U Remind Me」のソングライターがレコード契約を獲得」
Hustlechild - I'm Cool
Hustlechild用の曲として「U Remind Me」が作られたものの、当時この曲をいち早く耳にしたのが『8701』のプロデューサーを務めたL.A. Reidだったという。
この曲がヒットすると確信したL.A. Reidは、Usherのアルバムに「U Remind Me」が必要だと、Edmundを説得したとのこと。
当時の様子を、「Stereogum」の記事でEdmundは次のようにコメント。
「L.A.は俺に『'U Remind Me'が欲しい。この曲は必ずNo.1のレコードになると保証する』と言った。俺は自分のチャンスを掴みたい若い野心家だったから、OKと答えたんだ」
しかし、EdmundとUsherによる「U Remind Me」のレコーディングは上手くいかず、彼らが作ったバージョンはシングルには到底出来ない完成度だったという。
そしてL.A. Reidは、「次のアルバムのファースト・シングルにするか、『8701』から外すか」の2択を迫ったとのこと。
しかし、この窮地を救ったのが他でもないJam & Lewis。
当時の状況を、Jimmy Jamは[Red Bull Music Academy]のインタビューで次のように回想。
「L.A. ReidはUsherに録り直しを命じたんですが、Usherは『録り直すならTerry Lewisとだけやる』と言いました。Terryは、『いいよ、やろう』と言ってロサンゼルスへ向かいました。当時、僕らはまだミネアポリスを拠点にしていました。そして2人は1週間かけてボーカルを録りました。問題は、デモを歌っていたシンガーの歌い方を、Usherがそのまま真似していたことでした。だからTerryがやったのは心理的な作業でもありました。『君が聴いたデモの歌を頭の中から完全に消そう。そして今度は『Usher』として作り直そう。この曲をUsher自身の曲として歌うんだ。君がこの曲を自分のものにしなければならない」と伝えました。そうやって歌わせたんです。完成した音源をL.A. Reidへ送ると、2時間後に電話がかかってきました。『君たち、ファースト・シングルを手に入れたよ」と。その曲は全米No.1になり、Usherにとっても大ヒットとなりました。ボーカルというのは本当に重要なんです。私たちは『ボーカルまで作れなければ、本当のプロデューサーとは言えない』と教えられて育ちました。今ではボーカル専門のプロデューサーもいますが、私たちの時代は、全てできなければならなかった。アレンジも、楽曲制作も、歌詞も、ボーカル・プロデュースも、全てです。そして歌詞を書くこと、ボーカルを最高の形に仕上げること、この2つに関して言えば、Terry Lewisこそ、その第一人者なんです」

またL.A. Reidは、当時のUsherについて次のようにコメント。
「Usherが踊れること、スタイルがあることを人々は既に知っている。だから、彼が歌えることに気付いてほしいんだ」

ちなみに、L.A. ReidはJam & Lewisが手がけた「Separated」を聴いてこの曲を気に入り、彼らに追加で楽曲制作を依頼したという。
L.A. Reidは「Force M.D.'sの'Tender Love'のような曲が欲しい」と具体的なリクエストを伝えたものの、Jam & Lewisはあえてオリジナリティを追求。
その結果、生まれたのが「Can U Help Me」












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