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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

SWV|全米チャートを制した"Weak"は、シャンテ・ムーアに向けたラブ・ソングだった。

更新日:3月9日


全米チャートを制したSWVの"Weak"は、Chante Mooreに向けたラブ・ソングだった。

全米チャートを制したSWVの最高傑作


R&B黄金期の'90年代にデビューし、女性R&Bグループのパイオニア的存在となったSWVは、デビューした'90年代に14曲のシングルをリリースし、その中で唯一全米シングル・チャート1位を達成した曲が"Weak"でした。


「弱い、劣った」という意味で使われる「Weak」という単語ですが、「あなたからの愛が私を弱くする」という内容を歌ったラブ・ソング。


「足が震えて、声も出せない。


コントロールを失って、何かに支配されているわ。


ボーッとしているけど、あなたが輝いて見える。


あなたの愛は最高に甘くて、立っていられないくらい。


あなたの愛を説明できない、私を弱くするの」


実はこの曲、ある人物がChante Mooreに向けて書いたラブ・ソングでした。


SWV

Weak



Chante Mooreのことが好きだったというBrian Alexander Morgan


SWVの"Weak"を手掛けたのは、"Right Here"、"Anything"など、SWVのデビュー・アルバム『It's About Time』の主要曲をプロデュースしたBrian Alexander Morgan。


SWVの他にも、Usher, Faith Evans, Lalah Hathawayらの楽曲を手掛けたことでも知られる、'90年代R&Bシーンを代表するトップ・プロデューサーの1人ですが、彼は元々[Warner Music]から'88年にデビューしたR&BデュオCachet De Voisのメンバーとして活動し、このグループをサポートしていたのが、グラミー賞ノミネート・シンガー/プロデューサーのJay King('86年に全米R&B/ヒップホップ・ソングス・チャート1位を達成したTimex Social Clubの"Rumors"を手がけた人物)。

しかし、Cachet De Voisのデビュー・アルバム『Personal』は売上が鈍く、これが原因で彼らは[Warner Music]から早々と解雇され、デュオもそのまま解散してしまうことに。


Brian Alexander Morganは、この時期を全てが最悪だったと振り返っているものの、この時に師であるJay Kingが新しいアーティストと契約し、それがあのChante Mooreだったそうで、Brian Alexander Morganは彼女に恋心を抱いたとのこと。


この時の気持ちを綴った楽曲こそ、後にSWVが歌うことになる"Weak"で、Brian Alexander Morganは「Complex」のインタビューにて当時の様子を次のようにコメント。

「Chanteと俺は友達になって親しくはなったけど、タイミングが悪かった。なぜなら、Jay Kingが彼女と会っていたから、俺はその間に立ちたくなかったんだ。彼女は恐らく、俺がどれだけ彼女に夢中だったかを知らなかったと思う。俺はフラストレーションが溜まっていたから、"Weak"というプライベートな曲を書いたんだ」

ちなみに、Brian Alexander MorganはChante Moore本人に"Weak"の件を直接話したことは無いとのこと。



SWVに"Weak"を歌わせる予定は無かった


アーティストとして成功する為に地元を離れて[Warner Music]と契約するも、あっさりと解雇されてしまったBrian Alexander Morganは、ローカル・アーティスト達のレコーディングをしながら生計を立てており、この状況を打破する為にメジャー・アーティストへ楽曲を提供する必要があると感じ、Chante Mooreへの気持ちを綴った"Weak"をCharlie Wilsonに歌わせようと計画。


当時の心境を、Brian Alexander Morganは「YouKnowIGotSoul.com」のインタビューにて次のようにコメント。

「Chante Mooreのエネルギーを取り入れるつもりで、この曲をCharlie Wilsonに捧げたかった。当時、The Gap Bandが"Wednesday Lover"という曲をリリースして、俺は今でもこの曲が大好きなんだけど、少なくとも彼らの曲と同じくらい良いものでないといけないと思った」

The Gap Band

Wednesday Lover

結果的にCharlie Wilsonは"Weak"を歌わなかった為、Brian Alexander Morganは自分のソロ・プロジェクト用に取っておこうと考えており、SWVに"Weak"を提供するつもりは全く無かったとのこと。


"Weak"がSWVの手に渡ることになる経緯は、Brian Alexander Morganが[Warner Music]時代に一緒に働いたことがあるJeff Bowensというスタッフが、SWVのデビュー先である[RCA Records]に転職し、彼がオフィスでたまたま"Weak"のデモ音源を流していたところ(Brian Alexander Morganが制作した"Weak"を含むいくつかの音源は、当時ミックステープのように周囲に広がっていたとのこと)、偶然その場を通りかかったKenny Ortizが耳にすることに。


Kenny OrtizはSWVのA&Rを務めていた人物で、Jeff Bowensがこの曲はBrian Alexander Morganというプロデューサーが作った曲だと告げると、Kenny Ortizは彼とは既にMartha Washで一緒に仕事をしている!と反応。


というのも、Kenny OrtizはSWVを担当する前、C+C Music Factoryのボーカルを担当していたMartha WashのA&Rも務めており、Brian Alexander MorganはMartha Washの楽曲をプロデュースしていたことから既に顔見知りで、Kenny Ortizから俺に隠してたのか?こんなに良い曲があるなんて教えてくれなかったじゃないか。これからデビューさせる予定の女の子のグループがいるんだと電話があったとのことで、当時の様子をBrian Alexander Morganは「Complex」のインタビューで次のようにコメント。

「Kennyは、女の子達が歌っている様子を録音したパッケージを郵送で送ってきたんだ。俺はCokoの歌声を聴いて、『この子は大物になりそうだなと』と感じたよ。そして"Computer Love"と"Weak"の関連性を考えたんだ。俺は"Weak"をCharlie Wilsonに歌ってもらおうとしたけど、Cokoの声が"Computer Love"でCharlie Wilsonと一緒に歌ったShirley Murdockのようだと思った」

Zapp

Computer Love

Kenny Ortizから電話を受けた時、Brian Alexander Morganはこのオファーを拒否しようと考えており、しかし"Weak"を絶対にSWVに歌わせたかったKenny Ortizは幾らかのお金を提示し、結果的にSWVが"Weak"をレコーディングをすることに。


ちなみに、'90年に開催された[American Music Awards]にて、Brian Alexander MorganはBobby Brownのキーボードとバック・ボーカルを務めており、この時のリハーサルでDerek Allen('90年代にBrandy, Tyreseらの楽曲を手掛けたプロデューサー)に"Weak"を聴かせようと流したところ、その場にいたBobby Brownが気に入ってしまい、Bobby Brownに"Weak"が渡される予定だったものの、結局は実現しなかったとのこと。



「"Weak"が嫌いだった」


人気絶頂のBobby Brownも惚れた"Weak"でしたが、この曲を嫌っていたのが他でもないSWVのメンバーCokoで、"Weak"について「KevOnStage」のインタビューにて次のようにコメント。

「"Weak"が嫌いだった。レコーディングも嫌だったし、悪い女の子を演じなきゃいけないのが嫌だった。10代だったし、理解出来なかったわ」

Cokoが悪い子を演じなきゃいけなかったと言及した部分は、恐らくMVの演技のことだと思われますが、"Weak"を手がけたプロデューサーBrian Alexander Morganも、"Weak"をレコーディングしていた時のCokoの態度は酷かったと述べています。


"Weak"の他にも、Michael Jackson"Human Nature"をサンプリングした"Right Here (Human Nature Mix)"も嫌っていたというSWVのメンバー。



レコード会社やA&Rの意向に不満を持ちつつも、デビュー当時はまだ10代後半〜20代前半という若さだったことから、その時に感じていた違和感を周囲の大人達に話すことが出来なかったのかもしれないですね。



"Weak"をサンプリングするアーティスト達


SWVのデビュー・アルバム『It's About Time』からの3枚目のシングルとして、'93年4月にリリースされた"Weak"は、'93年のビルボード年間シングル・チャートでも堂々の6位にランクインした'90年代を代表する偉大なラブ・ソング。


Billboard Year-End Hot 100 singles of 1993

1. I Will Always Love You - Whitney Houston

2. Whoomp! (There It Is) - Tag Team

3. Can't Help Falling in Love - UB40

4. That's the Way Love Goes - Janet Jackson

5. Freak Me - Silk

6. Weak - SWV

7. If I Ever Fall in Love - Shai

8. Dreamlover - Mariah Carey

9. Rump Shaker - Wreckx-n-Effect

10. Informer - Snow


SWVが唯一全米シングル・チャートを制した"Weak"は、これまでに数多くのアーティスト達をも魅了しており、SWVに影響を受けたアーティスト達が"Weak"にオマージュを捧げた楽曲を発表しています。

 

Frankie J

Makes Me Weak feat. Baby Bash


Jazmin Sisters

You


Q LaSha

SWV



Alexis Branch

SWV


Larissa Lambert

Weak


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