- R&B SOURCE編集部
Talent▶︎▶︎R. Kellyが認め、2Pacのあの曲に参加した伝説のR&Bグループ。

R. Kellyが認めた超実力派R&Bグループ
米ミズーリ州カンザスシティ出身のR&BグループTalent。
メンバーはEarnest Dixon, Marlon Hatcher, Keith Murrellの3人で、共に同じ地区で育ち、同じ教会に通っていた幼なじみ。
R. Kellyのレーベル[Rockland Records]のA&Rの前で、Boyz Ⅱ Men"End of the Road"を披露したことがきっかけでR. Kellyの注目を集め、メンバーはカンザスシティからR. Kellyの拠点である米イリノイ州シカゴに移動。
当初は2週間ほどの滞在予定でしたが、結果的に彼らはシカゴに2年間滞在することとなりました。
シカゴ滞在中に、R. Kellyの全面プロデュースで、[Rockland Records]からアルバム『Bulls Eye』をリリースする準備を進め、さらに2Pacの死後に発表された"Changes"に、レーベルメイトとしてゲスト・ヴォーカルに大抜擢されるなど、業界から大きな注目を集めた彼ら([Rockland Records]は[Interscope Records]の配給)。
正にTalent(才能)なグループとして、R&Bシーンに名を残すはず、でした。
2Pac
Changes feat. Talent
お蔵入りしてしまったアルバム『Bulls Eye』
「まるで大学に通っているような気分だった。全てがR. Kellyからのレッスンだった」と[Billboard]のインタビューで語っていたのはメンバーのEarnest Dixonで、Marlon Hatcherは「彼は俺たちの兄弟のようだ」と続けています。
2000年にデビュー・シングル"Celebrity"を発表し、R. Kellyと順調に制作を重ねていった彼ら。
当時、R. Kelly自身も様々なプロジェクトに取り掛かっていて、Talentのアルバム制作に時間がかかってしまったそうですが、特にR. Kelly自身が制作に時間をかけたのがスロウ・バラードの"Turn To Lies"で、レコーディングに1週間かけたとのこと。
アルバム『Bulls Eye』には、シングル"Celebrity"、スロウ"Turn To Lies"、Trackmastersも制作参加した"All Up In His Ride"、Celine Dion"My Heart Will Go On"のア・カペラ・カヴァーなどが収録。
[Interscope Records]のプロダクト・マネージャーだったHadmira "Meda" Leacockは、[Billboard]に以下のように語っています。
「TalentはR. Kellyの本当の曲を届けてくれる。
Talentが歌う楽曲は、R. Kelly自身の曲調と大きく異なっているから、Talentの作品をR. Kellyが手がけていると知ったら、人々は驚くはずだ。
これは勝利の組み合わせだ」
R. Kellyと新鋭の男性R&Bグループという魅惑のコラボレーションで作られたアルバム『Bulls Eye』でしたが、結局『Bulls Eye』は世に出ることなくお蔵入りに。
シーンにとってもファンにとっても、非常に残念な結果となってしまいました。
Talent (タレント)
Turn To Lies
R. Kellyの元で才能を開花させたEarnest Dixon
R. KellyとTalentの才能がぶつかり合って生まれた結晶『Bulls Eye』は残念ながら日の目を見ることはありませんでしたが、彼らが2Pacの歴史的名曲に参加したことは誰もが認める功績。
そして、メンバーのEarnest Dixonの活躍も、予想外の嬉しいトピックの1つとなりました。
R. Kellyと出会った時のTalentのメンバーは、実力を持った3人のヴォーカリストにすぎませんでしたが、R. Kellyの元でソングライターとしての才能を開花させたのが、メンバーのEarnest Dixon。
Earnest Dixonは、[Motown Records]所属のR&BグループProfyleが残した全米シングル・チャート最高14位を記録した"Liar"を手がけ、またJoeの代表曲の1つ"Stutter"のソングライティングも担当。
両曲共に、プロデュースはTeddy Rileyが担当していた楽曲でした。
Joe (ジョー)
Stutter
songwriter: Ernest E. Dixon, Roy "Royalty" Hamilton
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・Joeの名曲"More & More"と"Make You My Baby"。元々はR. Kellyが歌っていた曲だった。