2Pac「Do For Love」の誕生秘話。当初の元ネタはGrover Washington Jr.の「Just The Two Of Us」だった。
- R&B SOURCE

- 7月25日
- 読了時間: 4分
更新日:7月26日

Bobby Caldwellの名曲をサンプリングした「Do For Love」
2Pac通算6作目のアルバムであり、彼の死後2作目として'97年に発表された『R U Still Down? (Remember Me)』
このアルバムは、2Pacの母Afeni Shakurが設立したレーベル[Amaru Entertainment]からリリースされた最初のアルバムであると同時に、2Pac本人が制作に関与することなく発表された初の作品。
2Pac - R U Still Down? (Remember Me)
そして、このアルバムからシングルカットされ、大ヒットを記録したのが、2Pacのキャリアを代表する名曲のひとつ「Do For Love」。
プロデュースを手がけたのは、Monica「Before You Walk Out Of My Life」などで知られ、'90年代R&Bシーンを代表するプロデューサー・デュオSoulshock & Karlin。

Bobby Caldwellの名曲「What You Won't Do For Love」をサンプリングし、BlackstreetのEric Williamsをボーカルに迎えるなど、Soulshock & KarlinらしいR&Bテイストを色濃く反映したことで、R&Bファンからも高い支持を集めた'90年代ヒップホップの名曲。
実はこの曲、当初からコーラスには「What You Won't Do For Love」のボーカルを使用していた一方、トラックには別の曲がサンプリングされていたという。
2Pac - Do For Love feat. Eric Williams
当初の元ネタは「Just The Two Of Us」
アルバム『R U Still Down? (Remember Me)』に収録された楽曲の大半は、2Pacが'93年〜'94年頃にレコーディングしたものだという。
彼の死後、母Afeni Shakurがこれらの未発表音源を発見し、'97年に『R U Still Down? (Remember Me)』としてリリース。
「Do For Love」も'93年〜'94年頃にレコーディングされた楽曲のひとつで、当初のタイトルは「Sucka 4 Luv」
さらに興味深いのは、そのサンプリング元。
「Sucka 4 Luv」は、当初からBobby Caldwell「What You Won't Do For Love」のトラックを使用していたわけではなく、元々はGrover Washington, Jr.(グローヴァー・ワシントン・ジュニア)とBill Withers(ビル・ウィザーズ)による'81年の名曲「Just the Two of Us」をサンプリング。
Grover Washington Jr. - Just The Two Of Us feat. Bill Withers
「Sucka 4 Luv」は、2Pacが当時制作を進めていた幻のアルバム『Thugstyle』のためにレコーディングした楽曲だったという。
しかし、当時の2Pacは数々の法的トラブルや銃撃事件、自身の心境の変化などに直面。
その結果、彼は『Thugstyle』というプロジェクト自体を丸ごと白紙に戻し、代わりに彼の最高傑作とも評される、よりシリアスで社会的なアルバム『Me Against the World』を新たに作り直すことに。
そのため、「Just the Two of Us」を使用した「Sucka 4 Luv」は、2Pac自身の意志によってお蔵入り。
2Pac - Me Against The World
そして2Pacの死後、未発表のまま眠っていたこの曲のボーカル・データが発掘され、これを公式シングルとしてリリースするにあたり、プロデューサーのSoulshock & Karlinにリメイクが依頼されたという流れ。
では、なぜこの曲をリメイクするにあたり、「Just The Two Of Us」がそのまま使用されなかったのか。
その理由として考えられるのが、「莫大なサンプリング費用の回避」
「Just the Two of Us」は世界的な特大ヒット曲であることから、この曲の権利をクリアすることは最難関のひとつとして有名。
曲自体はGrover Washington Jr.の名義ながら、作曲には複数の大物が関わっており、そのためサンプリングの許可を得るには全員の承認と、それぞれへの莫大なロイヤリティの支払いが必要だったことから、最終的にBobby Caldwellの「What You Won't Do For Love」へ変更されたものと推測。
「Do For Love」のボーカルをBlackstreetのEric Williamsが担当したのに対し、初期バージョン「Sucka 4 Luv」では、G-Moneyという男性シンガーがボーカルを担当。
詳しい経歴は不明ながら、当時2Pacの周辺で活動していたシンガーだったという。
2Pac - Sucka 4 Luv feat. G-Money
そして興味深いことに、「Do For Love」が制作されていた時期とほぼ同じ頃、Will Smithも「Just The Two Of Us」をサンプリングした楽曲を制作。
2Pacサイドでは最終的にサンプリング元が変更された一方、Willは「Just The Two Of Us」をサンプリングしたシングル「Just The Two Of Us」を収録したアルバム『Big Willie Style』を'97年11月25日にリリース。
そして、「Do For Love」が収録された『R U Still Down? (Remember Me)』も、奇しくも同じ'97年11月25日に発売。




































