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「Heaven Knows」「Baby Don’t Cry」を収録したデビュー作のサウンドに、不満を抱えていたというLalah Hathaway。「魂を売ったような気持ちになっていた」

執筆者の写真: R&B SOURCE
R&B SOURCE
4 時間前
読了時間: 3分
「Baby Don't Cry」「Heaven Knows」などを収録したLalah Hathawayのデビュー・アルバム

デビュー・アルバムのサウンドに不満を抱えていたというLalah Hathaway


「Heaven Knows」「Baby, Don’t Cry」などの楽曲を収録した、Lalah Hathawayのメジャー・デビュー・アルバム『Lalah Hathaway』は、’90年に[Virgin Records]からリリースされ、彼女のキャリアを華々しくスタートさせた’90年代R&Bの名盤。


Lalah Hathaway - Baby Don't Cry

しかし、Lalah本人は、このアルバムのサウンドに対して、ある種の違和感を抱えていたという。


彼女がパフォーマーを目指すようになったのは、10代の頃にJanet Jacksonに憧れたことがきっかけ。

Janet Jacksonに憧れていたというLalah Hathaway
Lalah Hathaway Janet Jackson

その後、ボストンのバークリー音楽大学に進学すると、彼女の音楽に対する価値観は大きく変わっていくことに。


大学の寮で暮らしていたLalahの部屋には、よく男子学生たちが遊びに来ていたとのこと。


そんなある日、彼女がJanetのレコードを聴いていると、彼らはそれをすぐに止め、Lalahにこう告げたという。

「こんなの聴いちゃダメだ。これはポップ・ミュージックだ。こんなのクソだよ。『毎日一回はMiles Davisを聴け、毎日一回はCharlie Parkerを聴け、毎日一回はJohn Coltraneを聴け』って言われたの。でもその経験が、今の私というミュージシャンを形作ったもののひとつなの」

そして、彼らに勧められたジャズの巨匠たちの音楽に触れたことで、Janetに憧れていたLalahは、次第に音楽そのものを深く追求するように。


その後、彼女は在学中に[Virgin Records]と契約。


春休みを利用してメジャー・デビュー・アルバムの大部分をレコーディングし、アルバムは完成。


一方で、Lalah自身は、アルバム全体の「洗練された商業的なサウンド」に対して、不満を抱えていたという。


当時の心境を、Lalahは「R&Bing」のインタビューで次のように回想。

「自分は大きな売れ線に魂を売ってしまったような気持ちになっていた」

彼女にとって「売れることが嫌だった」という話ではなく、偉大なジャズ・ミュージシャンたちの音楽の奥深さに触れ、自分自身の音楽性を築き始めていたLalahにとって、メジャー・デビュー作の商業的に洗練されたサウンドが、「自分が本当に追求したい音楽」とは少し違っているように感じられたことが、おそらくその違和感の本質。


しかし、先行シングルとなったJaki Grahamのカバー「Heaven Knows」は、全米R&Bシングル・チャートで最高3位を記録するヒットに。


Lalah Hathaway - Heaven Knows

つまり、彼女が「セルアウトした」と感じていた作品は、決して失敗作ではなく、むしろ、商業的には大きな成功を収めることに。


ただ、その後の展開を見ると、Lalahが抱えていた違和感は正しかったのかもしれず、'94年に発表された2枚目のアルバム『A Moment』は大きなインパクトを残すことができず、[Virgin Records]はLalahとの契約を解除。


Lalah Hathaway - A Moment

さらにその後、彼女は何年もの間、レコード契約のない時期を過ごし、当時の心境を次のように回想。

「自分には音楽業界に居場所がないように感じていた」

Janetへの憧れから始まり、音大でジャズの巨匠たちに出会い、そしてメジャー・デビュー。


彼女のメジャー・デビュー・アルバムは、単に成功した作品ではなく、「売れる音楽」と「自分が本当にやりたい音楽」の間で揺れたLalahにとって、その後のキャリアを考える上でも重要な出発点だったと言えそう。


Lalah Hathaway - Lalah Hathaway




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