Princeの手に渡らなかった、世界に一足の「Air Jordan 11 "Purple Rain"」
- R&B SOURCE

- 12 時間前
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Princeの手に渡らなかったAir Jordan
スニーカー・カルチャーの歴史において、特定の個人へ捧げられた「PE(プレイヤーズ・エクスクルーシブ)」という、希少なモデルが存在。
トップアスリートのために制作されたモデルから、著名なアーティストやセレブリティへ贈られた1点物まで、その背景には数々のストーリーがあり、なかでもひときわ異彩を放つのが、PrinceのためにJordan Brandが制作した特注品「Air Jordan 11 "Purple Rain"」

「Air Jordan 11」は、'95年にMichael JordanがNBAへ復帰した際に着用したモデル。
光沢のあるエナメルレザーというドレスシューズの要素をスニーカーに初めて持ち込み、バスケットボール・シューズの概念をエレガンスへと昇華させた名作。

一方のPrinceもまた、ロック、ファンク、ポップス、ソウルを融合させ、独自の華麗なファッション・スタイルで音楽界の常識を覆し続けた革命児。
そんなPrinceの破天荒なスタイルを表現するために、スニーカー・カルチャー屈指の洗練されたシルエットを誇るAir Jordan 11が選ばれたのは、おそらく偶然ではなく、このモデルをベースにPrinceの圧倒的な個性を投影するという試みは、Jordan Brandにとって最大級の敬意の表れだったと言えそう。
このスニーカーの最大の特徴は、一目でPrinceの世界観だと分かる、その官能的なカラーリングと素材使い。
アッパー全体を包み込むのは、彼の代名詞である高貴なディープ・パープル。
通常モデルに見られるメッシュやナイロン素材は一切排除され、代わりにプレミアムな手触りのスエードと、妖艶な光沢を放つベルベット素材を大胆に使用。
この異素材のコントラストが、Princeがステージで魅せたゴージャスな衣装を彷彿。
さらにインソールは、彼のキャリアの頂点であり、ポップス史の金字塔である名曲「Purple Rain」へのオマージュとして、美しく繊細な「雨のグラフィック」が施されたデザイン。

しかし、Jordan BrandがPrinceの功績を称え、本人へのサプライズ・ギフトとしてこの特注品を制作していた最中、Princeは2016年4月、57歳という若さで逝去。
音楽とスニーカーが融合した唯一無二の一足が完成したものの、最後まで本人の手に渡ることはなく、その後、「Air Jordan 11 "Purple Rain"」は幻の遺作として、ファンやコレクターの間で語り継がれる伝説的な存在に。
それから約9年が経過した2025年3月、スニーカー・コレクターの手を経て、海外のオークション市場にこの1足が突如として登場。
世界にたった1足しか存在しないサンプル、それもPrinceという偉大なロックスターへ捧げられた歴史的背景から、オークションは激しい争奪戦となり、結果、10万ドル(約1,500万円)という驚異的な金額で落札。
この数字は、単なるレア・スニーカーとしてではなく、音楽史の遺産、そして近代ストリート・アートの最高峰として、世界がその価値を認めた証と言えそう。



































