Mary J. Bligeのデビュー作『What's the 411?』の質を高める為にPuffyが行った「ある戦略」に、プロデューサーも脱帽。「彼は天才的だった」
- R&B SOURCE

- 4月10日
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『What's the 411?』の質を高める為に行われた「ある戦略計画」とは?
ヒップホップとR&Bという2つのジャンルを組み合わせた「ヒップホップ・ソウル」という新たなスタイルを提唱し、「ヒップホップ・ソウルの女王」としての物語をスタートさせた、Mary J. Blige(メアリー・J. ブライジ)のデビュー・アルバム『What's the 411?』
Mary J. Blige - What's the 411?
アルバム名に記された「411」は、米国の電話番号案内サービスに由来する数字で、日本でいう「104」にあたるもの。
『What's The 411?』のタイトルには、Maryがデビュー前にそのオペレーターとして働いていた経験に由来するとされる一方で、「What’s the 411?」という表現自体が「最新情報は?」「何が起きてる?」といった意味のスラングとして使われていることから、「リアルな現状を伝える」「ストリートの今を届ける存在」というニュアンスも重ねられているという。
このアルバムは、これまでに350万枚以上のセールスを記録してトリプル・プラチナを達成し、また2020年に「Rolling Stone」が選ぶ「史上最も偉大なアルバム500」のリストで271位にランクインした歴史的名盤。
そして彼女のデビューを大成功させた立役者と言えば、彼女の総合プロデュースを行なっていたSean "Puffy" Combs(ショーン・"パフィ"・コムズ)で、彼はこのアルバムの質をより高める為に、ある戦略を用いてアルバムの制作を行ったという。
『What's the 411?』の制作に参加したプロデューサーDave "Jam" Hall(デイヴ・"ジャム"・ホール)が、「Ebony」のインタビューで当時の様子を次のようにコメント。
「当時の俺は、シーンで頭角を現そうと奮闘していた若いプロデューサーだった。俺はHeavy D & The BoyzのプロデューサーだったEddie Fに面倒を見てもらっていたんだけど、俺たちはみんなニューヨーク州マウントバーノン出身で、高校時代から知り合いなんだ。だからみんなPuffyを知っていた。彼がMary J. Bligeのプロジェクトに取り組んでいたとき、彼はEddie Fと俺のところにやってきて、Maryの為に新しいタイプのサウンドを探していると言ってきたんだ。当時はニュー・ジャック・スウィングが主流だったけど、彼から『Maryにはもう少し荒々しくて、より都会的な雰囲気が必要なんだ』と言われた。この時、俺はヒップホップのビートとR&Bのコード進行を組み合わせる実験をしていたんだけど、このサウンドがなかなか受け入れてもらえなくて、あまり進展が無かったんだ。そしてある日、俺はEddie Fの車の後部座席にいて、Puffyが助手席に座り、俺は自分が作ったトラックを車で再生した。そしたら彼は言ったんだ。『正にこれが俺の求めているものだ!これがMary J. Bligeというアーティストのために必要な新しい方向性だ』ってね。これで俺はMaryのプロジェクトに参加することになった」

そして"Real Love"のプロデュースを担当したCory Rooney(コリー・ルーニー)は、次のようにコメント。
「Puffyは『アルバムを半分に分ける』ということをやったんだ。彼はThe Untouchables(Dave "Jam" Hallが在籍していたプロデューサー集団)と一緒にいて、彼らが作った音源の一部を俺達に聴かせて、俺たちを興奮させた。彼は別のプロデューサー・チームが作ったレコードを聴かせて、他のチームを刺激させたんだ。これが、友好的な競争を生むことになった。このプロジェクトの中心にPuffyがいて、実際に彼のやり方は天才的だったよ。彼は俺たちに、Daveらが作った"Reminisce"を聴かせてくれた日を覚えている。それを聴いた俺達は『ちくしょう!』って言ったよ(笑)。俺たちはDaveらを翻弄していると思っていたけど、"Reminisce"を流したPuffyは、スタジオの中でハイテンションで踊っていたんだ。そして、俺たちは"Changes I’ve Been Going Through"という曲を制作して反撃したんだ。でも、これらのやり取りには全てに愛があり、本当にやりがいのあるプロジェクトだったんだ。Puffyは本当に俺達を鼓舞してくれたよ」
Mary J. Blige - Reminisce
「自分のままでいたくなった」
Sean "Puffy" Combsが分けたのは、"You Remind Me"を手がけたDave "Jam" Hallのチームと、"Real Love"を手がけたCory RooneyとMark Moralesのチーム。
そして彼らを意図的に競わせてアルバムを作り上げ、両チームは以下の楽曲制作を担当。
Produced By Dave "Jam" Hall
Reminisce
You Remind Me
Love No Limit
My Love
Produced By Cory Rooney, Mark Morales
Real Love
Sweet Thing
Slow Down
Changes I've Been Going Through
Puffyの狙いは見事的中し、『What's the 411?』は全米アルバム・チャート最高6位という大ヒットを記録。
このアルバムが大成功を収めた要因はサウンド面だけではなく、「ゲットー・ファビュラス」と呼ばれる、黒人カルチャーに根ざしたソウルフルかつ華やかなファッションやライフスタイルの提示にもあり、「既存のあらゆる概念を壊す」という姿勢に多くの女性が共感。

そして、『What's the 411?』に強い影響を受けた1人がAlicia Keys(アリシア・キーズ)。
Amazon Prime Videoのドキュメンタリー「Mary J. Blige's My Life」内で、Aliciaは次のようにコメント。
「自分でいることに居心地のよさを感じた。不完全な部分があったり、強い意見を持っていても、ありのままの自分でいていいと思えたことが嬉しかった。自分のままでいたくなった。私たちも夢を持てるし、特別な存在になれると思えた。そんな風に思える機会は少ないの。当時13歳だった私は、必要としていた許可をもらった気分だった」
そんなAliciaは、自身のデビュー10周年を記念して行われたライブ「Piano & I: A One Night Only Event With Alicia Keys」にて、"Real Love"のカバーを披露。






































