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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Zhane|"Hey Mr. D.J."のコンセプトを聞いて笑っていたというケイ・ジー。「ジョークだと思ったみたい」


zhane hey mr dj

「"Hey Mr. D.J."を歌った時に彼は笑っていた。ジョークだと思ったみたい」


10年にも満たない短い活動期間ながら、女性デュオとしての礎を築いたと言っても過言ではない圧倒的な人気を集めたZhaneは、同じ大学に通っていたRenee NeufvilleとJean Norrisの2人によって'90年代初頭に結成。


メンバーのRenee Neufvilleは、2人のファースト・ネームJeanとReneeを組み合わせて、フランス語の発音を使用するというアイデアを持っていたそうで、最終的にJeanの「J」を「Z」に変換して「Zhane (ジャネイ)」としたのがユニット名の由来。


アーティスト名を正式に決定する前は「Jhane (ジェーン)」と呼ばれていた時期もあったそうで、彼女達のデビュー・アルバムが、ズバリ『Pronounced Jah-Nay (発音はジャネイ)』というタイトル名だったことからも、多くの人が「Zhane」を「ジェーン」と呼び間違えていたのでしょう、彼女達の「ジェーンじゃなくジャネイと発音して欲しい」という意地を感じさせるネーミングですね。


Pronounced Jah-Nay

Zhane

そんな彼女達のデビュー・アルバムに収録されたのが、Zhane不動の人気No.1ソングであり、デビュー・シングルとなった"Hey Mr. D.J."で、元々はコンピレーション・アルバム『Roll Wit Tha Flava』用に作られた楽曲。


『Roll Wit Tha Flava』は、ヒップホップ・プロデューサーのThe 45 Kingが立ち上げ、後にQueen Latifahが引き継いだヒップホップ・クルー「Flavor Unit」を中心に作られた企画アルバム。

Zhaneの2人は、'91年にDJ Jazzy Jeff & Fresh Princeが発表したシングル"Ring My Bell"のボーカルを担当したことでチャンスを掴み、その後Queen LatifahやNaughty By Natureと繋がり、『Roll Wit Tha Flava』に参加したという経緯。


Ring My Bell

DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince

そして、このFlavor Unitにも名を連ねていたヒップホップ・グループのNaughty By Natureが、Zhaneのデビューをサポートすることに。


"Hey Mr. D.J."は、ZhaneのメンバーRenee Neufvilleが曲のコンセプトを考え、Naughty By NatureのDJ/プロデューサーのKay Geeがプロデュースを担当した楽曲で、この曲のアイデアをKay Geeに伝えた時の様子を、Renee Neufvilleは「Wax Poetics」のインタビューに次のようにコメント。

「私はこの曲を寝室の床に座りながら書いたの。そしてこの曲をKay Geeにプレゼンし、曲名は"Hey Mr. D.J."だと伝えた。『ブルックリンに住んでいた時のブロック・パーティーを思い出させた』ともね。この曲を歌った時、彼は笑っていたの。ジョークだと思っていたみたい。でも、私たちはこの曲をレコーディングして、みんなこの曲を気に入ったみたいだった」

Hey Mr. D.J.

Zhane

「みんな身体を動かして。


ヘイDJ、あの曲を一晩中かけてよ。


金曜の夜よ、週末が来たわ。


パーティーはどこなの、友達にも電話する準備は出来ているから」


Renee Neufvilleの言うように、気の合う仲間達とパーティーを楽しんでいる様を歌った"Hey Mr. D.J."に対して、これを安直な発想と捉えてKay Geeはジョークとして笑ったのか、その真意は分かりませんが、結果的に全米シングル・チャート最高6位を記録し、また'93年のビルボード年間シングル・チャートでも堂々の64位にランクイン。


Billboard Year-End Hot 100 singles of 1993

1. I Will Always Love You - Whistney Houston

61. Cat's in the Cradle - Ugly Kid Joe

62. What About Your Friends - TLC

63. I Got a Man - Positive K

64. Hey Mr. D.J. - Zhané

65. Insane in the Brain - Cypress Hill

66. Deeper and Deeper - Madonna

67. Rain - Madonna

68. The Right Kind of Love - Jeremy Jordan

69. Bad Boys - Inner Circle

70. That's What Love Can Do - Boy Krazy


蓋を開けてみればZhaneの判断が正しかった"Hey Mr. D.J."でしたが、この曲を発表した時点で"Hey Mr. D.J."のMVが完成していないどころか、どこのレーベルともサインしておらず、当然アルバムも全く作られていないフリーの状態だったZhane。


その後、彼女達を巡ってメジャー・レーベルが争奪戦を繰り広げ、最終的に[Motown Records]とサインし、"Hey Mr. D.J."のリリースから1年後の'94年に、デビュー・アルバム『Pronounced Jah-Nay』を発表。


そしてこの"Hey Mr. D.J."は、Stevie Wonderのバックアップ・シンガーも務めたMichael Wycoffが、'82年に発表したシングル"Looking Up To You"をサンプリングした楽曲としても話題となりました。


Looking Up To You

Michael Wycoff



"Looking Up To You"をサンプリングするアーティスト達


Stevie Wonderが'76年にリリースしたアルバム『Songs in the Key of Life』のバックシンガーを務めた後、[RCA Records]と契約したMichael Wycoffは、同レーベルから'80年代に3枚のアルバムを発表。


Leon Wareがソングライターとして参加した"Looking Up To You"は、Michael Wycoffのセカンド・アルバム『Love Conquers All』に収録され、全米ソウル・シングル・チャートにて最高47位を記録。


この曲をサンプリングしたZhaneのシングル"Hey Mr. D.J."は、原曲を超える全米シングル・チャート最高6位という大ヒットを記録したことから、Michael Wycoffの名前がシーンで再フォーカスされることになったものの、Michael Wycoff自身は麻薬とアルコール中毒に陥り、地位や家族も全て失った結果、一時はホームレスに転落するなど波乱万丈な人生を送ることに(後に牧師になったものの、癌が原因で2019年に63歳で死去)。


そんなMichael Wycoffの代表曲の1つである"Looking Up To You"は、Zhaneを筆頭にこれまでに数多くのアーティスト達をも魅了しており、Michael Wycoffに影響を受けたアーティスト達が、"Looking Up To You"にオマージュを捧げた楽曲を次々と発表しています。

 

21:03

Brand New Day feat. J Moss


Brandy

Full Moon (Soulchild Remix)


Faith Evans

Sunshine



Ne-Yo

Link Up


Blacknuss Allstars

Looking Up To You


Mz'vocalz

Feel Gud Museik



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