Jam & Lewisが語る、現代の音楽体験で失われたもの。「昔は、音楽を手に入れること自体に特別なプロセスがありました」

8月16日
読了時間: 3分

Jam & Lewisが語る、現代の音楽体験で失われたもの
スマートフォンの登場以降、ストリーミングの爆発的な普及によって、音楽はかつてないほど手軽に楽しめるような時代に。
しかし、その便利さと引き換えに、「失われてしまったものもある」と語ったのは、Janet Jackson、New Edition、Usherなど、数々のR&Bスターのヒット曲を手がけてきた名プロデューサー・デュオJam & Lewis。
彼らは「Mixonline」のインタビューで、かつての音楽体験が持っていた価値、そして現代の音楽文化について言及。
まずはJimmy Jamが次のようにコメント。
「私たちにとって、アルバムのライナーノーツがまさに音楽教育でした。ライナーノーツを読むことで、『どこでレコーディングをするべきか』『どこでミックスをするべきか』といった、自分たちの判断にも大きな影響を与えたんです。それに、人々は本当は『このレコードを誰が作ったのか』を知りたいと思っているはずだと思うんです。今は情報化時代ですから、それらの情報はもっと簡単に手に入るべきですよ。もうひとつ、今の時代に失われてしまったものがあります。私はそれを『音楽の儀式』と呼んでいます。昔は、音楽を手に入れること自体に特別なプロセスがありました。レコード店へ行き、棚を探し回り、欲しい1枚を選ぶ。家へ持ち帰り、ジャケットからレコードを取り出す。そのレコードには独特の手触りがあり、匂いがありました。そしてターンテーブルの上で回るレーベルを眺める。そうした1つひとつの体験が、音楽を聴く時間とともに自然と心に刻まれていったんです。さらにアルバムを手に取り、音楽を聴きながらライナーノーツを読む。そこには、数え切れないほど素晴らしいミュージシャン、エンジニア、ソングライター、プロデューサーたちの名前が並んでいました。そうしたすべてが積み重なることで、『この作品は特別なものなんだ』という実感が生まれ、音楽体験そのものに大きな意味を与えていたんです。でも今は違います。ボタンをひとつ押せば、一瞬で音楽がスマートフォンに届き、イヤホンから流れ始める。だから、その1曲を完成させるために12人もの人たちが関わっていたかもしれないなんて、考えることすらなくなってしまいました。音楽が本来受けるべき敬意を、人々は十分に払わなくなってしまったんです」
続けて、Terry Lewisは次のようにコメント。
「特に今の世の中では、音楽はあらゆるものを売るために使われているのに、肝心の音楽そのものは十分に評価されていません。音楽は車も売るし、洋服も売るし、商品も売る。ありとあらゆるものを売っています。だからこそ、その音楽を作った人、演奏した人、エンジニア、クリエイターたちを、少なくともきちんとクレジットで紹介するくらいは当然のことだと思うんです。『その費用は誰が負担するのか』という話になるかもしれません。でも、どこかに数セントくらいは捻出できるでしょう。クレジットを表示するための場所くらい、用意できるはずですから」

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