Nextの"Too Close"が、年間チャート1位を記録する大ヒット曲になった理由。「どんな男でも共感できる内容だったからさ」
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更新日:2 時間前

年間シングル・チャートを制した"Too Close"
「この1年だけで、'90年代のベスト・アルバムが作れる」と言っても過言ではないほど、数々の名曲が誕生した'98年。
・Brandy - Have You Ever?
・Brandy, Monica - The Boys Is Mine
・Deborah Cox - Nobody's Supposed to Be Here
・Dru Hill - These Are The Times
・Faith Evans - Love Like This
・Jon B. - They Don't Know
・Janet Jackson - I Get Lonely feat. Blackstreet
・K-Ci & JoJo - All My Life
・Lauryn Hill - Doo Wop (That Thing)
・Mariah Carey - My All
・Monica - Angel Of Mine
・Montell Jordan - Let's Ride feat. Master P, Silkk the Shocker
・Mya, Sisqo - It's All About Me
・R. Kelly, Celine Dion - I'm Your Angel
・Tyrese - Sweet Lady
・Usher - Nice & Slow
・Whitney Houston - Heartbreak Hotel feat. Faith Evans, Kelly Price
・Xscape - The Arms of the One Who Loves You
'90年代を象徴する豪華な顔ぶれが並ぶ中、"The Boy Is Mine"、"All My Life"といった歴史的名曲をおさえ、'98年のビルボード年間シングル・チャートで1位に輝いたのが、R&BグループNext(ネクスト)が'97年にリリースした"Too Close"。
Billboard Year-End Hot 100 singles of 1998
1. Too Close - Next
2. The Boy Is Mine - Brandy & Monica
3. You're Still the One - Shania Twain
4. Truly Madly Deeply - Savage Garden
5. How Do I Live - LeAnn Rimes
6. Together Again - Janet
7. All My Life - K-Ci & JoJo
8. Candle in the Wind 1997 - Elton John
9. Nice & Slow - Usher
10. I Don't Want to Wait - Paula Cole
'90年代にR&Bの楽曲が年間チャート1位を達成したのは、Boyz Ⅱ Menの"End Of The Road"と、Whitney Houstonの"I Will Always Love You"のみ。
TLCの"No Scrubs"や"Creep"ですら達成できなかった快挙を成し遂げた"Too Close"は、なぜこれほどの大ヒットを記録できたのか。
Next - Too Close
狙いが次々と当たり大ブレイク
Jam & Lewisのお膝元として知られる米ミネソタ州ミネアポリス。
この地で音楽活動をしていたTweetyとT-LowのBrown兄弟は、教会でゴスペル合唱団のディレクターを務めていた叔父の紹介でRLと出会い、彼らは「Straight4ward」というグループを結成。
当初は4人組グループで、一時期はSounds Of BlacknessのAnn Nesby(アン・ネスビー)がマネージメントを担当していたという。

その後メンバーの1人がグループを脱退したことを機に、グループ名をNextに変更。
・Robert "RL" Huggar
・Terry "T-Low" Brown
・Raphael "Tweety" Brown
Annの元でリハーサルを重ねていった彼らは、Jam & Lewisのサポートを受けていたR&BグループLo-Key?と繋がり、デモ音源の制作をスタート。
その後、彼らのデモがNaughty By NatureのメンバーKay Gee(ケイ・ジー)の手に渡り、彼の全面サポートを受けて'97年にデビュー・アルバム『Rated Next』を発表。
Next - Rated Next
このデビュー作からのセカンド・シングルとしてリリースされたのが、Kay Geeプロデュースの"Too Close"。
この曲の異例のヒットは、「あまりに身近でありながら、これまで誰も歌ってこなかったテーマ」が引き寄せたもの。
歌詞のテーマは、クラブでの男女の距離感を歌った内容で、メンバーのTweetyが「Genius」のインタビューで語ったところによると、米ニュージャージーにある「Peppermint Lounge」での実際の出来事から着想を得たという。
そこでは女性たちが、ダンスフロアで男性をわざとその気にさせ、その反応を見るような場面があったとのこと。
「彼女にバレてないかな、今の俺の状態…」という歌い出しから始まり、サビでは次のような展開に。
「ベイビー、体を寄せ合って踊ると、すごく興奮してくるんだ。
たまらないよ、抑えようとしても無理なんだ。
君はすごく近くで、しかもゆっくり踊ってる。
そのせいでこっちは困ってしまうんだ」
メンバーのRLは、この曲がヒットした理由について次のようにコメント。
「どんな男でも共感できる内容だったからさ。『あぁ、こういう経験あるな』って思えるだろ?」

しかし、曲のテーマ以上に重要なファクターとなっていたのが、爽やかなアップテンポのビートに乗せて、男女の掛け合いというセクシーなR&B要素を融合させた構成。
実は当初、"Too Close"はシングルとしてリリースされる予定がなかったという。
Philip Baileyを従兄弟にもつRLは、クラシックR&Bに影響を受けて育ったことから、特にバラードを好んでおり、アップテンポなR&Bにはあまり価値を見出していなかったとのこと。
その結果、当初はセカンド・シングルは“Too Close”ではなく“Stop, Drop & Roll”をシングルにする予定だったものの、この判断にストップをかけたのが、エグゼクティブ・プロデューサーを務めていたClive Davis(クライヴ・デイヴィス)とKay Gee。
Next - Stop, Drop & Roll
彼らは、ヒットの鍵がラジオでのヘビー・プレイにあることを理解しており、その判断のもと、ラジオ受けの良いスムースなテイストを得意とするKay Geeによる“Too Close”がシングルとして選ばれたという流れ。

ただ、冒頭の「彼女にバレてないかな、今の俺の状態…」という箇所は、当時のラジオでは流せない内容だったことから、シングル盤の「Radio Edit」ではこの部分はカット。
そして巧妙だったのは、歌詞全体の内容は際どいものの、直接的な卑語がなかったことから放送禁止にならず、結果的に全米のラジオでパワープレイされることに。
そしてこのアプローチこそRLの狙いそのもので、彼は「The A.V. Club」のインタビューで次のように言及。
「メロディに紛れて、すぐには気づかれないような言い回しにしたかった。後になって『あれ、そういう意味だったのか』って思わせたかったんだ」
実際に、テニス界の女王Serene Williamsは、2024年にX(旧Twitter)にて次のように投稿。
「今初めて"Too Close"の歌詞ちゃんと聞いたんだけど…今までビートしか聴いてなかったっぽい(笑)」
クラブで密着して踊れば誰にでも起こりうる気まずい現象を、あえて甘いメロディで歌うというギャップが、当時の若者の間で凄まじい口コミを生み、激戦だった'98年の年間チャートで1位という快挙を達成。
ちなみにこの曲のアディショナル・ボーカルを担当したのは、その後、同じくKay Geeのサポートを受けてデビューし、"After Party"をヒットさせた男女デュオKoffee Brown(この時のクレジットはCoffee Brown)。
Koffee Brown - After Party
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