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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Brandy & Monica|「彼は私のもの」から「この曲は私のもの」へと変貌した確執ソング"The Boy Is Mine"。

更新日:5月31日


「彼は私のもの」から「この曲は私のもの」へと変貌したBrandyとMonicaの確執ソング"The Boy Is Mine"。

人気絶頂の2人が共演した歴史的名曲


年齢もデビュー時期もほぼ同じだったBrandyとMonica。


当時まだ10代後半という初々しい年齢ながら、すでにR&Bスターとして爆発的なセールスを記録し、人気絶頂だった両者が、突如'98年リリースのシングル"The Boys Is Mine"で共演し話題騒然となり、この曲は'98年のビルボード年間シングル・チャートで2位にランクイン、また第41回グラミー賞「Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocal」を受賞するなど、正に時代を創った歴史的R&Bクラシック。


Billboard Year-End Hot 100 singles of 1998

1. Too Close - Next

2. The Boy Is Mine - Brandy & Monica

3. You're Still the One - Shania Twain

4. Truly Madly Deeply - Savage Garden

5. How Do I Live - LeAnn Rimes


タイトル名通り、1人の男性を巡って「彼は私のもの(The Boy Is Mine)」と、2人の女性がお互いの主張をぶつけ合うという三角関係ソングで、「8 Mile」や「Honey」などのブラック・ムービーに出演でお馴染みの俳優Mekhi Phife(メキ・ファイファー)が、MVで男性役を演じています。


「いい加減あきらめてよ、もう充分でしょ。


簡単な話よ、彼は私のものだから。


混乱しているみたいで申し訳ないんだけど、彼は私のものなの」

この"The Boys Is Mine"は、当時勢いを増してきた気鋭のプロデューサーRodney Jerkinsに、Monicaのデビューを支えたDallas Austin, そしてBrandyの3人がプロデュースを担当し、Rodney Jerkinsの兄弟でもあるFred Jerkins III, 更にRodney Jerkinsの右腕として活躍したLaShawn Danielsがソングライトを担当。


The Boy Is Mine

Brandy, Monica

当初は、Brandyのソロ曲としてレコーディングされていたものの、Rodney Jerkinsが「デュエット曲にしては?」というアイデアを提案。


そのインスパイア源とされているのが、Michael Jacksonのアルバム『Thriller』に収録されたPaul McCartneyとのデュエット曲"The Girl Is Mine"で、こちらもタイトル名通り、2人の男性がお互いの主張をぶつけ合う三角関係ソングでした。


「僕は彼よりも君のことを愛しているんだ。


僕は君のことを永遠に愛しているよ。


だから、彼女は僕のものなんだ」


The Girl Is Mine with Paul McCartney

Michael Jackson



"The Boy Is Mine"から"The Song Is Mine"へ


Michael Jackson"The Girls is Mine"から構想を得て、制作の途中でデュエット・ソングへと変更された"The Boy Is Mine"。


この曲のデュエット役にMonicaを指名したのはBrandy本人で、レコーディングをするまで両者は面識がなく、しかしこの時点で両者の不仲説が噂されていたものの、当時のインタビューでBrandyは次のようにコメント。

「私達は友達で仲が良い。誰が何と言おうと、私達はずっと仲良くいるつもり」

若くて人気抜群のスター2人が共演した"The Boy Is Mine"は予想通りの大ヒットを記録するものの、"The Boy is Mine"の制作は決して順調とはいかず、両者の共同によるレコーディングがうまくいかなかったことから、最終的にMonicaは育ての親であるDallas Austinのスタジオ「DARP Studios」にてレコーディングをし、両者は別々にレコーディングを済ませることに。


Brandyは不仲説を否定していたものの、"The Boy is Mine"がリリースされる前の段階で雲行きが怪しかった両者の関係。


確執の原因は色々と囁かれていますが、後にRodney Jerkinsも制作中の2人はうまくいっていなかったと言及しており、この曲のミックスを担当したDexter Simmonsは、どちらかに偏りが生まれないように7回もミックスをやり直したとのこと。


同世代でほぼ同時期にデビューしていた両者が、「お互いをライバル視していない」と見る方が不自然だと考えれば、共演が決まった時点で2人の間には大きな溝があったのかもしれないですね。


そんな"The Boy Is Mine"は、両者のアルバムにそれぞれ収録される形になりましたが、このアルバム・リリースがきっかけで両者の確執は決定的に。


"The Boy Is Mine"のシングルは'98年5月にリリースされ、同年の6月9日にBrandyはアルバム『Never Say Never』をリリースし、同じく同年の7月14日にMonicaもアルバムを発表。


そのMonicaのアルバム名が『The Boy Is Mine』だったことから、Brandyが激怒。

Brandyの言い分としては、元々は"The Boy Is Mine"は自分のソロ曲で、その後に曲の一部としてMonicaを招いたという経緯だったことからこの件に憤りを感じていたそうで、Brandyも報復として、当時絶大な人気を集めていた米NBC放送の深夜トーク・バラエティ番組「The Tonight Show with Jay Leno」に出演した際に、ソロで"The Boy Is Mine"を熱唱。


またプロデューサーのDallas Austinによると、'98年の「MTV Video Music Awards」のパフォーマンス前に、MonicaはBrandyの顔面を殴ったという話も。


「彼は私のもの」という内容を歌った"The Boy Is Mine"は、いつの間にか"The Song Is Mine(この曲は私のもの)"へと変貌してしまうことに。


ちなみに、Monicaのアルバム名『The Boy Is Mine』は、当時Monicaが所属していた[Arista Records]のトップClive DavisのアイデアだったとDallas Austinは語っており、またBrandyはソロ・バージョンで"The Boy Is Mine"をリリースしたいと、Brandyが当時所属していた[Atlantic Records]に直訴したそうですが、契約上の関係で却下されることに。



"It All Belongs To Me"で再び共演するも...


後にMonicaは、ラジオ局「WZMX」のインタビューにて、私達は若かった。それは決して嫉妬や恨みなどではなかったけど、同じ部屋にいることさえできなかったと、当時の状況をコメント。


不仲になった決定的な理由こそ定かではないものの、"The Boy Is Mine"がきっかけで激しいビーフを繰り広げたBrandyとMonica。


しかし、"The Boy Is Mine"のリリースから約14年が経過した2012年に、シングル"It All Belongs To Me"で両者は再び共演することに。


It All Belongs To Me

Monica, Brandy

Usher"There Goes My Baby"、Nelly"Just a Dream"などを手掛けたRico Loveがプロデュースしたこの"It All Belongs To Me"は、当初R. Kellyのアルバム『Write Me Back』に収録される予定だったものの、MonicaがR. Kellyに直談判して譲ってもらったとのこと。


元々はMonicaのソロ曲としてリリースされる予定だったものの、Monicaのアイデアでデュエット・ソングに変更され、デュエット役に抜擢されたのが、犬猿の仲だったあのBrandy。


「あなたを愛することは難しい。自分自身を傷つけている気がするわ。あなたが怒っていることは知っているけど、私はもう我慢できないの。でもそれらを返して、あなたの物じゃないの。あの洋服も、あの車も、あの指輪も、全部私の物よ」と、MonicaとBrandyが虐待的なボーイフレンドを置き去りにするエンパワーメント・ソングで、この曲は"The Boy Is Mine"の続編として制作された楽曲。


制作当時の様子を、Rico Loveが「Rap-Up」のインタビューにて次のようにコメント。

「デュエットはMonicaのアイデアで、この曲を聴いて興奮したMonicaは『この曲が次のデュエット・ソングになるべきだと本当に思うわ』っていう感じだったよ。だから"The Boy Is Mine" が終わったところから始まるストーリーを作りたかったんだ。成長と成熟を示し、Monica, Brandyの2人にとってリアルで真実なものにすることを望んだ。それは素晴らしいエネルギーで、素晴らしい雰囲気だったし、彼女達は前向きで楽しかった。セッション中に彼女達から沢山のことを学んだよ」

全米シングル・チャートはトップ100入りならず、全米R&B/ヒップホップ・ソングス・チャート最高23位という結果に終わった"It All Belongs To Me"でしたが、この曲の制作は順調に進み、両者の過去の蟠りが解けた、と思いきや...


2017年の故Whitney Houstonの誕生日に、MonicaがInstagram上で次のように投稿。

「天国でお誕生日おめでとう。あなたはまだ多くの人をインスパイアし、毎日心に触れています。あなたは永遠に最高でしょう。あなたは永遠に惜しまれる存在です」(Monica)

その数時間後、BrandyがWhitney Houstonとのコラージュ写真を載せて次のように投稿。

「あなたは私の中に生き続けています。あなたの精神を私の中で感じ、至るところであなたを感じます。私の天使、私の友達、私を助けてくれる親切なおばさま。私は永遠にあなたを愛します。私はあなたとのすべての瞬間を覚えています。そしてこれらの奇跡のような瞬間を永遠に大切にします」(Brandy)

この両者の投稿を見たMonicaのファン達が、Brandyの投稿に対して「自己陶酔的」と揶揄し、これに対しBrandyはInstagramにMonicaは彼女の悪質なファンを見直すべきねとコメント。


この一件が尾を引いたのか、2018年に行われた米国最大のブラック・ミュージック・フェスティバル「Essense Fest」にて、Brandyは"The Boy Is Mine"のエンディングで「The Song Is Mine」と歌い、明らかにMonicaを挑発。

"The Boy Is Mine"のリリースから20年以上経過しても、両者の深い溝が埋まらない状況が続いた中、Instagramの無料生配信企画「Verzuz」で、BrandyとMonicaが2020年に遂に直接対決(「Verzuz」は、2人のアーティストがお互いの曲をかけ合ってバトルするInstagramの人気企画)。


Snoop Dogg(Brandyの従兄妹), Lizzo, Queen Latifah, 元大統領夫人のMichelle Obamaらも視聴し、最高視聴者数が120万人を突破した2人のバトルは大きな話題を集めた一方、2人の口から過去の確執の詳細が語られることはなく、Monicaは実際のところ、私達には意見の不一致があったと、Brandyもとても楽しんでいるよ。Verzuzのパート2をやらない?とコメントし、最後に"The Boy Is Mine"を歌った2人は、肩を組みながら仲良く退席してバトルは終了。



"The Boy Is Mine"をサンプリングするアーティスト達


"The Boy Is Mine"を巡り、BrandyとMonicaの衝突が絶えることは無かったものの、この曲は両者にとって初めて全米シングル・チャートを制した楽曲で、また両者にとって唯一グラミーを受賞した楽曲。


また、"The Boy Is Mine"は450万枚以上のセールスを記録して'98年に米国で最も売れたシングルとなり、リリースから10年経過した2008年に「Billboard」が発表した「史上最も偉大なデュエット・ソング40選」の第3位にランクイン。


当然、リスナーのみならず多くのアーティスト達をも魅了した名曲中の名曲で、これまでにこの曲にオマージュを捧げた楽曲が次々と発表されており、"The Boy Is Mine"をサンプリングした注目の楽曲をセレクトしました。

 

New Faith

Mine


Kaylee Ameri

Give It Up


Tynisha Keli

The Boy Is Mine feat. BENI



TERRELL, Hello Sunday

The Boy Is Mine


Teenear

Ain't Mine


Tink, Muni Long

Mine



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