Lucky Daye▶︎▶︎ホームレス、オーディション落選を経て、グラミーの舞台まで上り詰めた叩き上げアーティスト。

ホームレスからグラミーの舞台へ上り詰めたLucky Daye

温かみのあるレトロな作風で人気を集め、グラミー賞にノミネートされるほどの実力を持ったLucky Dayeは、その華やかなイメージとは正反対に、現在の成功を手にするまでに紆余曲折の壮絶な人生を歩んできた苦労人。

母親の影響で、世俗的な音楽を禁じられたカルト教団で生活するという、何とも奇妙な環境で幼少期を過ごしていたというLucky Dayeは、カルト教団内で生活していた時期に、米国では有名な絵本作家Dr. Seussの児童書「Green Eggs and Ham」などに影響を受け、本の内容を自分の歌やメロディにして独学で音楽を学んでいったとのこと。

8歳の頃に母親がカルト教団をから抜け出たことをきっかけに、Prince, Stevie Wonder, Rick Jamesらの音楽に親しむようになり、本格的にアーティストの道へと進むために、出身地の米ルイジアナ州ニューオーリンズから離れ米ジョージア州アトランタに移住。

人気オーディション番組「American Idol」のシーズン4に出場し(本名のDavid Brown名義で出場)、トップ20入りを果たすものの結果的には優勝を逃すなど、アトランタ在住にはあまり物事が上手く進まず、イライラすることもシバシバあったそうで、この頃にホームレスも経験したとのこと。

後に米ロサンゼルスに移住し、Keith Sweat『Just Me』収録曲"Me and My Girl"を手がけたことをきっかけに、ソングライターとしてNe-Yo, Boyz Ⅱ Men, Trey Songz, Mary J. Bligeらの楽曲を手がけ、作曲能力の高さを証明したLucky Daye。

Me and My Girl

Keith Sweat

iTunes: https://apple.co/381KcpY

しかし、裏方のソングライターとしては着々と結果を残しながらも、アーティストとしては長年芽が出ない状況が続き、「彼は辞める準備が出来ていた」と当時の様子を語ったのは、後にLucky Dayeとタッグを組むことになるプロデューサーのD'Mile。

音楽活動自体を辞めようとさえ考え、アーティストとしてくすぶっていたLucky Dayeでしたが、そんな彼に成功への大きなチャンスが訪れたのが2018年のことで、この年にNormani, VanJessらが所属する［RCA Records］の傘下レーベル［Keep Cool］と契約。

時を同じくして、音楽シーンへの不満からD'Mileもまた音楽活動を辞めようとしていた最中だっただけに、両者は「誰かに認められる為ではなく、自分達がやりたいことをやる」という揺るぎない信念を掲げ、2019年にD'Mileの全面プロデュースによるLucky Dayeのデビュー・アルバム『Painted』を発表。

結果、同アルバムは第62回グラミー賞「Best R&B Album」にノミネートされ、Lucky DayeとD'Mileはトップ・アーティストの仲間入りを果たしました。