"Dreamlover"の制作時、意見が割れたマライアとデイヴ・ホール。「そんなハッピーな曲をやりたいの?」
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「実際はあまり乗り気じゃなかったの」
デビュー・アルバムで大成功を収めたMariah Careyは、セカンド・アルバム『Emotions』でR&Bやソウルなど新たな音楽性に挑戦。
Mariah Carey - Emotions
しかし、評価はあったものの商業的にはデビュー作ほどの成功には至らず、そのためMariahが在籍していた[Columbia Records]は、よりラジオ向きで商業的なポップ路線へ戻す方針を決定し、この方針のもとでサード・アルバム『Music Box』の制作を開始。
一方でMariah自身は、ただポップに戻るだけではなく、「ヒップホップやR&Bの要素」「サンプリング」「新しいプロデューサー」などを取り入れることに興味を持っていたという。
そしてアルバムのレコーディング中、Mariahのソングライティングやサウンドには新たな変化が現れ、とりわけその流れを象徴する楽曲が、リードシングルの"Dreamlover"。
Mariahは、『Music Box』を制作するにあたって新しいプロデューサーを探しており、そんな矢先にMary J. Bligeのデビュー・アルバム『What's the 411?』を手掛けたDave "Jam" Hallと出会い、"Dreamlover"のプロデューサーに彼を起用。
この曲は、それまでのアルバムで彼女が歌ってきた楽曲とは異なり、R&Bやヒップホップの要素を取り入れたスタイルが特徴で、また"Dreamlover"に過去の楽曲のサンプル・ループを取り入れたいと考えていたMariahは、Daveとさまざまな楽曲を聴き比べた末、'72年にThe Emotionsが発表した"Blind Alley"を選ぶことに。
The Emotions - Blind Alley
この曲は、ラッパーのBig Daddy Kaneが'88年には俵した"Ain’t No Half-Steppin’"でもサンプリングされており、それがきっかけでMariahは"Dreamlover"にこの曲を使用することにしたという。
しかし、MariahとDaveは制作時に意見の相違があったといい、ジャーナリストのFred BronsonがMariahに行ったインタビューで、Mariahは制作当時の様子を次のようにコメント。
「もっとハッピーな雰囲気のあるもの、もっと開放的で解き放たれた感じの曲をやりたかったの。でも、Daveのスタイルとは正反対だったから、彼らしくない雰囲気だった。だからDaveは『そんなハッピーな曲をやりたいの? まあいいよ』っていう感じで、実際はあまり乗り気じゃなかったの。それから私たちは過去の楽曲をいくつも聴いて、"Blind Alley"のループを使うことにしたわ。私はその上でメロディを歌い始めたの。そこから曲を作り上げていって、私が歌詞とメロディを書いた。最終的にはDaveも気に入ってくれたわ」

曲が完成した後、DaveはMariahの仕事への姿勢と作詞のスタイルを高く評価し、彼女を「完璧主義者であり、とてもプロフェッショナルだ」と称賛。
しかし、Mariahの婚約者であり、[Sony Music]のトップだったTommy Mottolaが"Dreamlover"を聴いたとき、インパクトが十分じゃなかったことから、彼は複雑な反応を示したという。
そして彼はMariahをデビューから支えてきたプロデューサーWalter Afanasieffに、楽器や彩りを加えるよう依頼。
Walterは、「Soul Culture」のインタビューで当時を次のように回想。
「MariahはDaveと一緒に"Dreamlover"を書き上げたけど、私は作詞作曲には関わっていないし、最初のデモ段階の制作にも関わっていなかった。でもその曲がレコード会社に提出されたとき、Tommy Mottolaと[Columbia Records]は、もう少し何かを加えた方がいいと判断したんだ。彼らの意見では、その時点の曲は少しダークで、ラジオで流すにはやや地味に感じられたんだと思う。それで曲が私のところに回ってきて、私はいくつか細かい要素を加えた。ハモンドB3オルガンを入れて、もう少し跳ねる感じにして、いくつかのドラムパートも差し替えた。さらにリミックスをして、ちょっとした装飾やアクセントを加えたんだ。あの曲に関われたのは本当に良い経験だったし、最終的には共同プロデューサーとしてクレジットされることにもなった」

ヒットメイカーWalterの手によって、より洗練された形として完成した"Dreamlover"は、全米シングル・チャートで8週連続1位という快挙を達成。



































