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執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Musiq Soulchild|ドゥルー・ヒルのジャズに提供する予定だった"Halfcrazy"。


Dru HillのメンバーJazzが歌う予定だった"Halfcrazy"


'70年代に一斉を風靡した「フィリー・ソウル」生誕の地である米ペンシルバニア州フィラデルフィア出身のMusiq Soulchildは、「フィリーの伝統を受け継ぐファンクソウルの申し子」や「21世紀のStevie Wonderに一番近い存在」などと称された天才ソウル・シンガー。


そんなMusiq Soulchildが残した楽曲の中で、最も高い人気を集める1曲が、友情から恋愛感情に発展し、その混乱と葛藤に悩む心情を歌った"Halfcrazy"。


「友達以上になるなんて思いもしなかったのに、今は混乱している。


君に対してもっと深い感情を抱いてしまったから。


2人とも一線を越えるのはクールだと思っていたし、大丈夫だと確信していたけど、今は状況が変わってしまった。


何もかも同じではなくて、ただ友達として戻りたいだけなんだ。


頭のが半分がおかしくなりそうだ、君を放っておけないから。


この気持ちを抱え続ける価値があるのか考えてしまう」


実はこの曲、元々はR&BグループDru HillのメンバーJazzに提供される予定だった楽曲で、"Halfcrazy"を手掛けたプロデューサーIvan Bariasは、「YouKnowIGotSoul.com」のインタビューにて次のようにコメント。

「“Halfcrazy”にはとても興味深いストーリーがあるんだ。最初にこの曲を作った時、Dru HillのJazzと一緒にやったんだよ。この曲には、元々あるサンプルが使われていた。彼は[Def Jam]とソロ契約を結んでいて、彼のマネジメント・チームが[A Touch of Jazz]のスタジオに連れてきた。それで俺達はJazzと一緒に“Halfcrazy”をレコーディングしたんだ。ただ、あの時のバースは全然違っていたし、音楽もまったく別物だったんだけど、それでもその時の曲は凄くカッコよかったよ。それから数か月後、Jazzに連絡してまだこの曲を使うつもりがあるか聞いたら、彼は『うーん、わからないな。もっと違うサウンドにしなきゃいけない気がする』って言った。Jazzは音楽をもう少しアップデートしてほしいと思っていていたようで、当時はそのサンプルそのままの音だったからね。もっと音楽性が際立つようにしたかったみたいなんだ。それで仲間のFrank Romono, Terry Trippet, Pete Kozma, Jeff Bradshaw, Matt Cappyらを呼び集めて、最初にTerryが演奏を始めた。ところが、サンプルのリズムがずれていて、Terryがドラムを加えようとしたら曲全体が崩れてしまったんだ。結局、サンプルのベースラインを切り取って調整するしかなかった。その後にFrankがギターを弾いて、Peteがキーボードを弾いて、MattとJeffがホーンセクションを担当した。それで曲を仕上げてJazzに『君の曲ができたよ』って連絡したら、彼から『悪いけどパスするよ』って言われた(笑) その数か月後、Musiqの“Girl Next Door”のビデオ撮影で現場にいた時、Musiqが『次のアルバムの為にスタジオ入りするんだ。このアルバム用に“Halfcrazy”をレコーディングしたいと思ってる』って言ってきたんだ。それでロサンゼルスに行って戻ってきて、数か月後にMusiqと一緒にスタジオに入った。最初にビートをCarvin(Ivan Bariasの相棒)とMusiqに聴かせたら、2人とも大興奮だった。それから彼らが歌詞を書き直して、サビを少し短くしたんだ。そして、その後は歴史が作られたってわけさ」

Halfcrazy

Musiq Soulchild

結果的にDru HillのJazzがスルーした"Halfcrazy"は、Musiq Soulchildの全シングルの中で最高位となる全米シングル・チャート最高16位を記録し、また第45回グラミー賞「Best Male R&B Vocal Performance」にノミネートされるなど、Musiq Soulchildの最高傑作に。


また、"Halfcrazy"を収録したアルバム『Juslisen』は、Musiq Soulchildがキャリアで初めて全米アルバム・チャートを制し、100万枚以上を売り上げてプラチナ・ディスクを達成。


Juslisen

Musiq Soulchild



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