
「燃え尽き症候群」をどう打破する?
「YouTubeに投稿したカバー動画がきっかけでチャンスを掴む」という、SNS時代の成功パターンで名門[RCA Records]と契約したDestiny Rogersは、これまでにBruno Mars, Red Velvet, 三浦大知らの楽曲を手がけてきたグラミー・プロデューサーのThe Stereotypesにその才能を認められた、米ロサンゼルスを拠点とする女性アーティスト。
Destiny Rogersに限らず、自分の存在を世間にアピールする際に必要不可欠なツールとなったSNSですが、そのSNSと健全な付き合い方ができないことによって精神的な病気を抱えてしまい、多くの問題が生まれているという実情を踏まえると、SNSは正に現代社会における諸刃の剣。

そんな現代のSNS時代において、顕著に現れている精神疾患の1つに「燃え尽き症候群」という「うつ病」の一種とされている症状があります。
「バーンアウト」とも呼ばれるこの症状は、仕事や趣味などに一生懸命打ち込んだものの、思うような結果が得られずに疲労感や不満感が募ってしまい、あたかも「燃え尽きた」かのような状態に陥ってしまうもの。
SNSユーザーの中には、この「燃え尽き症候群」に陥ってしまう人も多く、例えば「他者との比較」が常時行われてしまうSNS空間上においては、いかに「他者に対して良き自分をアピール出来るか」という価値観が重要視され、読むだけ(または読んでいることをSNS上でアピールするだけ)で全く実行に移さない「自己啓発本」を皮肉って「キャリアポルノ」という表現が生まれるほど。
「燃え尽き症候群」に限らず、SNSの登場によってあらゆる疲弊が蔓延する現代社会ですが、「DJBooth」のインタビューにて、Destiny Rogersは「燃え尽き症候群」に対する持論を語っています。
「他のアーティスト達がうつ病になっている姿を目の当たりにした私にとって、心の健康が最も重要なこと。
だから、鬱になるくらい多忙になってしまうことを恐れているの。
鬱になってしまって、音楽を作ることに楽しさを覚えなくなってしまったらって思うと、ちょっと怖い。
だから、常にポジティブでいるようにしているわ。
私には素晴らしい家族や友人がいる。そして私は彼らと共に過ごしているだけ、だから私は大丈夫」
West Like feat. Kalan.FrFr
Destiny Rogers
iTunes: https://apple.co/3g1UDhY
無名だったDoja CatがTikTokをきっかけに世界的スターに上り詰めたように、SNSは誰でも無料で使用でき、その恩恵で誰もが「ブランド」になれる時代。
しかし、その反面SNSの様々な副作用が現代社会を覆い尽くしてしまっているわけですが、Destiny RogersはSNS時代を生きていく上で重要だと必要だと思うこと、こう提言しています。
「私達の世代に欠けているものは自信。
自信を持って、全ての人に価値があるんだと感じてもらいたい」
SNSの登場によって現代社会における価値観の大変容が起きましたが、SNSによって人生そのものが狂ってしまえば本末転倒。
SNSが社会に浸透しきった今だからこそ、自分の人生にとって本当に必要なものが何か、今一度考え直すタイミングなのかもしれないですね。
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