Sisqoの代表曲「Thong Song」のトラックは、元々Michael Jacksonの為に作られたビートだった。
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「Tバック」をテーマにした「Thong Song」
'90年代を代表するR&BグループDru Hillの中心メンバーだったSisqo(シスコ)は、グループが絶頂期にあった'99年に、アルバム『Unleash the Dragon』でソロ・デビュー。
Sisqo - Unleash The Dragon
当時の関係者の多くは、Dru Hillが成功の真っただ中にありながらソロ活動へ踏み出したSisqoの決断を理解できなかったという。
しかし、それこそがSisqoらしさでもあり、人が「無理だ」と言うことほど挑戦したくなる性格だった彼は、派手なヘアスタイルや奇抜なファッションでも独自の個性を打ち出し、グループ時代には見られなかった大胆な個性を前面に押し出していくことに。
Sisqo最大のヒットは、全米シングル・チャート1位を獲得した「Incomplete」
しかし、チャートの成績以上のインパクトを残した楽曲として語られるのが、彼の代名詞となっている「Thong Song」(同チャート最高3位)。
タイトルの「Thong」はTバックや紐状の下着を意味する言葉で、つまりSisqoが歌う「Thong Song」は、「女性の下着」をテーマに大胆かつユーモラスに歌い上げた、いかにもSisqoらしい1曲。
そして実は、この曲のトラックはもともとMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)のために制作されたものだったという。
この曲を手がけたプロデューサー・デュオのTim & Bob(Tim Kelley & Bob Robison)は、「Vice」のインタビューで次のようにコメント。
「このトラックはMichael Jacksonに提供する予定の1つだったんだ」
Sisqo - Thong Song
「今の曲は何だ!?」
SisqoのマネージャーKenneth Crearが、Joe、Boyz II Men、Usherらの楽曲を手がけたプロデューサーBob Robinsonにコンタクトを取り、Sisqoがソロ・アルバムを作りたいという意向を伝えたところから、「Thong Song」誕生の物語がスタート。
Tim & Bobの2人は、当時Michael Jacksonに楽曲提供することを視野に入れて、Sisqoとコンタクトを取る前から、これまでとは違う斬新な方法で新しいタイプのビートを作っていたという。

Tim Kelleyは当時、ジャズ・ギタリストWes Montgomeryの楽曲を頻繁にサンプリングしており、その中に、後に「Thong Song」の象徴的なフレーズの元ネタとなる「Eleanor Rigby」が含まれていたとのこと。
ちなみにこの曲のオリジナルはThe Beatlesで、のちにWes Montgomeryがカバー。
Wes Montgomery - Eleanor Rigby
Tim & Bobは、「Vice」のインタビューでこの曲を制作した時の様子を次のように回想。
「この曲がゲーム・チェンジャーになると確信した。このトラックはあくまでMichael用のトラックで、Sisqoのことは考えていなかった。そしてこの曲をCDに焼いて、そのままにしておいたんだ。その後、Sisqoが会いたいって言ったから、彼のためにバラードの曲を集めた。でも、その時に間違えて'Eleanor Rigby'をサンプリングした楽曲を1番最初に流してしまったんだ。このビートを聴いたSisqoは『今の曲は何だ!?』と言ってきて、『今のは何でもない』と伝えてすぐに次のビートをかけた。誤魔化そうとして他の曲を大音量でかけたけど、Sisqoは『1番最初の曲に戻って』と言ってきたんだ。Sisqoに『このトラックはMichaelに提供する予定の1つだったんだ』と真実を伝えたんだけど、彼はこの曲が欲しいと懇願してきた。そしてSisqoは彼の地元ボルティモアに帰る飛行機に乗った。そしたら機内から電話をかけてきて、『Tim、あの曲を自分のものにしたい。いくら必要なんだ?もしOKなら飛行機を乗り換えて直ぐにそっちに戻るから』って言ってきたんだ。アーティストがそれだけ曲やトラックを気に入ってくれたなら、もう渡すしかない。それが他のアーティストの為に作った楽曲だったとしてもね。自分たちのミスで聴かせてしまったし、『だからこのトラックは君のものだ』って伝えたよ」

「母親にTバックの曲をどうやって聴かせるんだ?」
このやりとりの翌日、Sisqoはこの曲を直ぐにレコーディングをする為、Tim & Bobの拠点ロサンゼルスに戻り、3人でスタジオ入り。 この時点でトラックは完成していたものの、リリックはまだ白紙の状態。
その夜、デートの相手が身に着けていたTバックを見たことが、後の「Thong Song」誕生のきっかけになったという。
Sisqoは当時の様子を次のようにコメント。
「'Thong Song'は、あの時のデートの話をしている。『あのドレスはスキャンダラス』って歌う箇所は、リアル・ライフさ。次の日に友達が来て、昨日デートした子がTバックを履いてたんだぜって言ったら『え、何?』ってなった。この曲のコーラスの部分を作る時、何を歌えばいいか分からなかったんだけど、その時そこにいた友達が『音楽を止めろ、昨日の女の子は何をくれたと思う?』と言ってきて、その後にこう口ずさんだ。『The Thong, Thong, Thong Thong, Thong』って(笑)。このアイデアをみんなに聞いたけど、その場にいた全員が絶対にやらないよって笑っていた。でも、コーラスのパートを作る時、部屋にいたみんなが『The Thong, Thong, Thong Thong, Thong』って歌っていた。これで完成した、ヒットするって思ったよ」

そして完成した歌詞を聴いたTim & Bobは、当時の心境を次のように回想。
「Sisqoから『曲のタイトル何だと思う?'Thong Song'だぜ』って言われたんだ。母親にTバックの曲をどうやって聴かせるんだって思ったよ(笑)」

この曲がリリースされた後、Ricky Martin「Livin' La Vida Loca」の一部を引用しているとのことで、Ricky側から訴訟を起こされるというトラブルがあったものの、結果的に世界中で大ブームを巻き起こした「Thong Song」
そして、当初このビートを提供される予定だったMichael Jackson本人もこの曲を気に入っていたようで、Michaelの友人John MclainからTim & Bobに電話が入り、次のように伝えられたという。
「Michaelからの指示で、'Thong Song'よりもホットな曲を作れるなら、Michaelのスタジオで会おう」
結果的にTim & BobがMichaelに楽曲提供をすることは実現しなかったものの、Bob Robinsonは次のようにコメント。
「Michaelから電話がかかってきたこと、そして彼が'Thong Song'を愛してくれたことが、本当に素晴らしかった」




































