ほぼ無名だったThe Product G&Bは、どのようにしてSantanaの名曲「Maria Maria」のボーカルに抜擢されたのか。
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- 1 日前
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何故無名だったThe Product G&Bは、Santanaの名曲に参加できたのか
米ニューヨーク出身のシンガーMarvin “Money Harm” MooreとDavid “Sincere” McRaeの2人によって結成されたThe Product G&B(ザ・プロダクトG&B)。
彼らの代表曲といえば、ギタリストCarlos Santanaを中心に結成されたラテン・ロック・バンドSantana(サンタナ)の世界的ヒット曲「Maria Maria」
この曲は、全米シングル・チャートで10週連続1位をキープするという大ヒットを記録し、また2000年の第42回グラミー賞において「Pop Performance By A Duo Or Group With Vocals」を受賞(この年のグラミー賞でSantanaは計8部門受賞)。
しかし、当時この曲に参加したThe Product G&Bはほぼ無名の存在。
彼らは、どのようにして「Maria Maria」のボーカルに抜擢されたのか。
Santana - Maria Maria feat. The Product G&B
電話のかけ間違いから始まった「運命の出会い」
13歳からデュオを組んでいたというThe Product G&Bの2人。
アーティスト名の「G&B」は「Ghetto & Blues」の略称とのこと。
ある日、彼らは[Sony Music]の音楽スタジオにいる友人のAl West(R. Kelly、Tyreseらの楽曲を手がけた音楽プロデューサー)に連絡を取ろうと電話をかけたという。
しかしその時Alは不在で、たまたまその電話に出たのが、FugeesのメンバーPras(プラズ)だったとのこと。

しかし、これをチャンスだと確信した2人は、電話を切るとすぐに、ニューヨークの凍てつく寒さの中をスタジオまで6ブロック全力疾走。
寒さ対策としてフードを深くかぶり、スキー・マスク姿でスタジオへ飛び込んできた2人を見たPrasは、一瞬「強盗が押し入ってきたのか」と勘違いしたという。
そして2人がその場で歌い始めると、その卓越したシンガーとしての歌唱力にPrasは驚愕。
すぐに同じグループの相方であるWyclef Jean(ワイクリフ・ジョン)に彼らを紹介し、彼のレーベル「Yclef」との契約へと一気に話が進むことに。

同じ頃、レコード業界の重鎮Clive Davis(クライヴ・デイヴィス)は、ベテラン・ギタリストであるCarlos Santanaを現代の若者向けにアップデートするアルバムを企画。
Cliveは「最先端のヒップホップ/R&Bの要素を取り入れたい」と考えた結果、当時ヒットを連発していたWyclefにプロデュースを依頼。
そしてWyclefは、Wu-Tang Clanのフレーズやヒップホップのビートを融合させた「Maria Maria」のトラックを作り上げることに。
彼は曲の制作を進める中で、洗練されたポップ・スターの歌声ではなく、「どん底の環境から出てきたような、生々しくソウルフルなストリートの質感」を求めていたという。
「Maria Maria」を制作していた時の心境を、Wyclefは「Mass Appeal」のインタビューで次のように回想。
「この曲には、すでに名声を得ている有名なスター歌手を起用しないと決めていた。The Temptationsの伝説的ボーカルであるDavid Ruffinのような、泥臭くも圧倒的な実力を持つ無名の声を探していたんだ」
そして彼の前に現れたのは、凍えるニューヨークの街を猛ダッシュしてスタジオに飛び込んできたThe Product G&Bの2人。
彼らの荒削りながらも圧倒的なソウルとストリート感、そして少し生意気でエネルギッシュなキャラクターを見たWyclefは、彼らの歌声こそ自分が探していたものだと確信し、そのままSantanaのプロジェクトへ起用することに。

しかし、完成した曲を聴いたCliveは当初、無名の新人をそのまま起用することに難色を示したという。
それでもWyclefはThe Product G&Bのポテンシャルを信じ続け、Cliveの反対を押し切ってリリースに踏み切ることに。
結果として、彼らのエモーショナルでソウルフルな歌声は、Carlosの哀愁あるギターと完璧にマッチし、全米1位を10週連続でキープする大ヒット曲が誕生。
ちなみに、The Product G&Bの2人はCarlosがどれほど偉大なレジェンドか知らず、Carlosを初めて見た際の本音を、「Billboard」のインタビューで次のようにコメント。
「『あれ、一体誰なんだ?』って思ったよ。スニーカーにはマジックで落書きみたいなものが描かれていて、『ギターを運んできたスタッフか誰かかな』なんて思ったんだ。でも、その人が実はSantana本人だったんだよ(笑)。冗談抜きで、バス停から歩いてきた誰かのおじいちゃんみたいに見えたんだ」

そして「Maria Maria」のリリースから18年後の2017年。
DJ Khaled、Rihanna、Bryson Tillerの3人が、この曲をサンプリングした「Wild Thoughts」を発表。
この曲に対し、Carlosは「Billboard」のインタビューで次のようにコメント。
「DJ Khaled、Rihanna、そしてBrysonが'Maria Maria'に込められた強い想いを感じ取り、その夏らしいヴァイブスを世界中の人々と共有してくれたことを光栄に思う。Wyclefと私が'Maria Maria'で生み出した、あの中毒性のあるグルーヴとテーマが、今なお多くの人々の心に響き続けているのには理由があるんだ。それは、人の心に直接語りかけるものだからさ。彼らはそのヴァイブスを受け継ぎ、'Wild Thoughts'で新たな次元へと昇華させた。しかし、この曲のグルーヴと本質は、今も変わることなく息づいているんだ」




































