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Lisa Stansfield「All Around The World」の誕生秘話|みんなに笑われた「Been around the world and I, I, I」という名フレーズ

執筆者の写真: R&B SOURCE
R&B SOURCE
2 日前
読了時間: 4分

lisa stansfieldの名曲「all around the world」

英国の白人女性アーティストが、初めて全米R&Bチャートで1位を獲得した歴史的な楽曲


英国出身のLisa Stansfieldが'89年にリリースした「All Around the World」は、全米でも大ヒットを記録した彼女の代表曲のひとつ。


この曲が誕生した背景には、当初は誰も予想していなかったヒットのきっかけや、彼女と長年活動を共にしてきた仲間たちとの深い絆など、興味深いエピソードが存在。


Lisaが、後に夫となり、「All Around The World」のプロデュースを担当することになるIan Devaneyと出会ったのは14歳のとき。


Ianは当時15歳で、学校のバンドでトランペットを演奏していたAndy Morrisも加わり、3人はBlue Zoneというバンドを結成。

Lisa Stansfieldが在籍していたバンドBlue Zone
Blue Zone

レコード会社に自分たちの音楽を聴いてもらうため、ロンドン行きの列車に乗ってはレコード会社を訪ね歩いたという彼ら。


その後、音楽活動を共にするなかで、LisaとIan、Andyの3人は数々の楽曲を生み出していくことに。


やがて、彼らが所属するインディーズ・レーベルが[Arista Records]に買収されたことで、彼らはメジャー・レーベルから作品を発表する機会を獲得し、当初はポップ・アルバムを制作していたものの、B面用の楽曲が必要になり、Lisaの両親の家の裏手にあった小さな8トラック・スタジオでBlue Zone名の「Big Thing」を制作。


Blue Zone - Big Thing

ソウル色の強いこの曲が注目を集めたことで、レーベルから同じような楽曲を求められた彼らは、次に「All Around the World」を聴かせることになったという。


Ianがスタジオでピアノを弾きながらメロディを考えていたとき、Lisaが何気なく口ずさんだのが「Been around the world and I, I, I」という、あのフレーズで、その場にいた人々は思わず笑ってしまったとのこと。


しかし、Ianはすぐにその魅力に気づき、次のように反応したという。

「ちょっと待って、今のはすごくいい」

Lisa自身も、当時の様子について、「The Guardian」のインタビューで次のように回想。

「本当に、自然と頭に浮かんできたフレーズだったんの。意味のない言葉ではあったけれど、すごくいい感触があったわ。そして『I, I, I』という部分が、曲のメインとなるフックになったの。あんなに大ヒットするとは、私たちにはまったく想像もつかなかったわ」

Lisa Stansfield - All Around The World

さらに興味深いのが、ボーカルのレコーディング。


Ianによると、リード・ボーカルとハーモニーはそれぞれ1テイクずつ、合計わずか2テイクで録音されたという。


しかも、最初の8トラックのスタジオで収録されたLisaの歌声が、そのまま世界的ヒットとなった音源に使用されたとのこと。


そしてこの曲は、ソウル・シンガーのBarry Whiteからの影響も色濃く表れており、Ianは彼への敬意について次のようにコメント。

「この曲はBarry Whiteから大きな影響を受けています。ディスコ時代、彼は「愛のセイウチ」などと揶揄されていましたが、私たちは彼をソウル・アーティストとして心から尊敬していました。彼のシングル'Let the Music Play'のアルバム・バージョンには、1分半ほど続くスポークン・イントロがあります。そこで'All Around the World'でも、もっと短い語りのイントロを入れたんです。隠すつもりもなく、あからさまなパロディーというか、彼へのオマージュでした」

そしてこのBarryへの敬意を込めたこのアレンジは、後に本人との交流、そしてLisaとBarryによるデュエット・バージョンの制作へとつながっていき、'92年にLisaのシングル「Time to Make You Mine」のB面として、Barry本人とのデュエット・バージョンがリリース。


Ianは続けて次のようにコメント。

「Barryがそれをどう思うか、私たちは不安でした。でも、彼はとても寛大に受け止めてくれました。何度か会う機会があり、LisaとBarryはとても気が合ったんです。そして、2人でデュエット・バージョンを再録音することにもなりました」

Lisa Stansfield, Barry White - All Around The World

歌詞に描かれているのは、離ればなれになった恋人を世界中探し回る主人公の姿で、この物語は、Lisa自身の恋愛経験をもとにしたものではないという。


Lisaは、実体験をそのまま歌にするというよりも、物語を作り、別の人物の立場になってその感情を表現することに長けていたとのこと。


一方、Ianたちにとってこの曲は、手応えを感じていた5曲のうちの1曲にすぎなかったという。


しかし、マネージャーのJazz Summersは、この曲を聴くなりヒットの可能性を見抜き、その予感どおり、「All Around the World」は全英シングル・チャートで1位を獲得。


さらに、全米シングル・チャートでも最高3位を記録し、また全米R&Bシングル・チャートは1位を獲得。


Lisa自身によれば、英国の白人女性アーティストが、初めて全米R&Bチャートで1位を獲得した歴史的な楽曲になったという。

「私は、アメリカのブラック・ミュージックのチャートであるR&Bチャートで1位を獲得した、イギリス出身の白人女性として初めてのアーティストになったの。ホテルの部屋で世界各国のさまざまなチャートを読んでいたときのことを覚えているわ。『なんてことなの!』と思わず声が出たほどよ」

Lisa Stansfield - Affection





「All Around The World」をサンプリングした楽曲



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