R&B SOURCE編集部
- 2022年1月4日

Ari Lennox▶︎▶︎フェイス・エヴァンス"I Just Can't"をアップデートした"BMO"は、［Bad Boy］にオマージュを捧げた'90年代風ヒップホップ・ソウル。

Faith Evans"I Just Can't"をアップデートした"BMO"

ラッパーJ. Coleが設立したレーベル［Dreamville Records］と契約した、初の女性シンガーとしてお馴染みのAri Lennox。

Erykah Baduの歌声と比較されることが多い彼女ですが、2019年リリースのデビュー・アルバム『Shea Butter Baby』に収録された1曲が、"Break Me Off"の略語をタイトル名にした"BMO"。

BMO

Ari Lennox

失恋の経験をベースに書いたという"BMO"は、Patti LaBelleが在籍していた女性グループLabelleが'74年に発表したシングル"Lady Marmalade"の歌詞で出てくる、あの印象的な"Gitchi gitchi ya ya da da"というフレーズを借用し、曲全体の雰囲気としてはFaith Evansが'95年に発表したシングル"I Just Can't"を現代風にアップデートしたようなヒップホップ・ソウル。

そして、Ari Lennoxがバスタブの中でセクシーに歌う描写も印象的な"BMO"のMVですが、この曲はある2曲のMVからインスパイアされたとのこと。

I Just Can't

Faith Evans

iTunes: https://apple.co/3t0T9M5

Missy ElliottとTotalのMVからインスパイアされた"BMO"のMV

Faith Evans"I Just Can't"は、カナダの作曲家Galt MacDermotが'69年に発表した"Space"をサンプリングした楽曲としてお馴染みですが、他にもBusta RhymesやSnoop Doggといったヒップホップ・アーティスト達からも愛されたサンプリング・ソースの定番曲。

Space

Galt MacDermot

iTunes: https://apple.co/3FScHpp

ブラック・ミュージックのシーンではお馴染みの大ネタをサンプリングしたAri Lennoxの"BMO"ですが、この曲のMVは'90年代に残された2つのMVからインスパイアされたとのことで、その内の1曲がMissy Elliottが'97年にリリースしたTimbalandプロデュースの"The Rain (Supa Dupa Fly)"。

The Rain (Supa Dupa Fly)

Missy Elliott

iTunes: https://apple.co/3HzEoE0

そしてもう1つのMVが、The Notorious B.I.G.との共演で知られる女性R&BグループTotalが'98年に発表した"Trippin"で、この曲はMissy Elliottがプロデュースを担当した楽曲でもありました。

Trippin

Total

iTunes: https://apple.co/3qEKtbi

"BMO"のベースとなったであろう"I Just Can't"を歌ったFaith Evans, そしてMVのインスパイア源になった"Trippin"を歌うTotalは、共にSean Combsのレーベル［Bad Boy Records］に在籍していたアーティストだったので、Ari Lennoxの"BMO"は［Bad Boy Records］へオマージュを捧げた1曲と言えるかもしれないですね。

また、「GQ」のインタビューで影響を受けたアーティスト達の名前を一挙に答えたAri Lennoxですが、誰よりも先に名前をあげたアーティストがMissy Elliottだっただけに、"BMO"のMVにてMissy Elliottの"The Rain (Supa Dupa Fly)"と、そのMissy Elliottが手がけたTotalの"Trippin'"の演出を取り込んだ背景を見ても、Ari LennoxのMissy Elliott愛は相当なものとも言えそうですね。

Missy Elliott

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