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「Whitney Houstonの後継者」として期待されたPuff Johnson。しかし、過小評価されたデビュー作『Miracle』

執筆者の写真: R&B SOURCE
R&B SOURCE
55 分前
読了時間: 4分
Whintye Houstonの後継者として注目を集めたPuff Johnson

Whitney Houstonの後継者として注目を集めたPuff Johnson


'80年代後半、ヒップホップのビートを大胆に取り込んだニュー・ジャック・スウィングが流行し、'90年代に入るとMary J. BligeやJodeciらによって、ヒップホップの境界線は急速に曖昧になっていったR&Bシーン。


そして'95年頃になると、その融合は単なるサウンド上の変化にとどまらず、アーティストのファッションや言葉遣い、キャラクターにまで広がりを見せるようになり、特に若い女性R&Bアーティストの中には、ストリート・ファッションを取り入れ、より直接的で性的な歌詞を歌う存在も目立つように。


そんな時代に登場したのが、Puff Johnson。


当時、彼女は「Billboard」のインタビューで、自身のスタイルについて次のようにコメント。

「流行の服を着ることにはなるけれど、自分の年齢にふさわしく振る舞うつもりだし、子どもたちにも十分に親しんでもらえるファンキーさも残すつもり。私たちが目指しているのは、もっとフェミニンでセクシーなルックと、あらゆる年齢の人が聴きたいと思える歌詞なの」

また彼女の共同マネージャーであり、母親でもあるMarie Johnsonは次のように発言。

「やりすぎるつもりはありません。でも、女性アーティストがもっと女性らしい姿で、女性らしく振る舞う方向へ、そろそろ戻る時期だと思っています。ただ、最終的に重要なのは音楽です。Puffが歌う楽曲のグルーヴが同世代のリスナーに響き、歌詞によって年齢層の高いリスナーも引き込めるようなアルバムを作りました」

一方で、彼女は時代の流れに逆らってヒップホップを排除するのではなく、むしろ当時のHip-Hop/R&Bのサウンドを取り入れながら、その中にもう一度、「歌うこと」「楽曲そのもの」、そして「洗練された女性らしさ」を前面に押し出すアプローチを取ることに。


Puffは、[Sony Music]の傘下にあった、[Columbia Records Group]の新設レーベル[Work Group]と契約しており、レーベル側は彼女を「若き日のWhitney Houstonに近いイメージ」で売り出そうとしていたという。


そんなPuffのデビュー・アルバム『Miracle』には、当時勢いを増していたJermaine DupriやSoulshock & Karlin、そしてベテランのヒットメイカーNarada Michael Walden、さらにポップス界の大御所Diane Warrenら、幅広い制作陣が参加。


彼女がまだ[Work Group]と正式に契約する前から担当していた、[Columbia Records]のA&R担当副社長Randy Jacksonは、Puffのアルバムについて次のようにコメント。

「このアルバムでは、とにかく楽曲そのものを重視しています。彼女に合った方向性、サウンド、そして適切なプロデューサーを見つけるために、時間をかけました。このプロデューサー陣を見ても、このプロジェクトが幅広い層にアピールするものになることが分かるでしょう。すべてがうまく機能しているのは、彼女のアプローチが正直で誠実だからです。世の中にあふれている、キャッチーなストリート・フレーズを使うことが目的だったわけではありません。私たちが目指したのは、もっと時代を超えて残るサウンドでした」

アルバムには、ヒップホップ/R&Bのクールなサウンドを持つ「Never Loved Nobody」、官能的なG・ファンクの「All Because Of You」、ジャズ/フュージョンの「Come Closer」、ファンキーなミッド・テンポ曲「That's When You'll Know」、そしてバックにゴスペル・コーラスを加えた「God Sent You」など、バラエティに富んだ楽曲が収録。


Puff Johnson - That's When You'll Know

またPuff自身は、自らが影響を受けたアーティストについて、次のようにコメント。

「私はMinnie Riperton、Natalie Cole、The Emotionsを聴いて育ったの。彼女たちは、汚い言葉や人を侮辱するような表現を使わなくても、いろいろなことについて歌えるんだと教えてくれたわ」

露骨な言葉や誰かを侮辱するような表現には頼らず、社会問題や恋愛について率直に歌い、同世代の多くのアーティストよりも、より優雅にその感情を表現。


しかし、Puffの音楽は「ストリートR&Bへの反発」ではなく、ヒップホップとの融合によって変化していくR&Bの流れを取り入れながら、クラシックなボーカル、メロディー、ハーモニー、歌詞、そして女性シンガーとしての優雅さを、改めて提示。


つまり、「R&Bが変わっていく時代だからこそ、R&Bが本来持っていたものをもう一度見つめ直す」というアププローチが、Puff Johnsonのデビュー作『Miracle』における本質だったと言えそう。


とはいえ、当時のトレンドはあまりにも強烈だったためか、『Miracle』は全米アルバム・チャートでトップ100入りを果たせず、全米R&Bアルバム・チャートでも最高61位という結果止まり。


商業的には大きな成功を収められなかった一方で、現在では「'90年代で最も過小評価されたR&Bアルバムのひとつ」として、ファンの間で再評価され続けている、隠れた名盤。


Puff Johnson - Miracle




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