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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Shanice▶︎▶︎"It's For You"を作ったポートレイトが振り返る。「もっと売れても良かった」

更新日:2021年12月24日


"It's For You"はShaniceの隠れた人気曲?

"I Love Your Smile"のヒットで知られるShaniceが歌う、都会的で煌びやかな雰囲気で人気を集めた"It's For You"は、'93年にリリースされたシングル曲でした。


「私の気持ちが分からない?あなたのためよ(It's For You)。この愛が本物だと思わない?あなたのためよ」と歌う、コーラス・パートのメロディが最高に心地良い1曲で、全米シングル・チャート最高57位を記録。


Shaniceが'90年代にリリースしたシングルの総数は全15曲で、その内全米シングル・チャートでトップ100入りを果たしたのは、"It's For You"を含む以下の5曲でした。


I Love Your Smile (1991) - 2位

Silent Player feat. Johnny Gill (1992) - 31位

Saving Forever For You (1992) - 4位

It's For You (1993) - 57位

When I Close My Eyes (1999) - 12位


当時のチャートだけ見ると、"I'm Cryin'"や"Turn Down The Lights"よりも好成績だった"It's For You"ですが、Shaniceのスタジオ・アルバムに収録されず、また'99年に発表されたベスト・アルバム『Ultimate Collection』に未収録だったことから、影の薄い印象となってしまった1曲。


この曲をプロデュースしたのは、"Here We Go Again!"をヒットさせた男性R&BグループPortraitのメンバーEric KirklandとMichael Angelo Saulsberryの2人でしたが、Michael Angelo Saulsberryが「BeatsBoxingMayhem」の記事に"It's For You"への想いを語っています。


世間を騒がせたけど、もっと売れても良かった


Shanice

It's For You

アーティストではなく、プロデューサー・チームになりたかったPortrait

米ロサンゼルスでErik Kirklandを中心に結成されたPortraitは、'92年にデビュー・アルバム『Portrait』を発表し、ニュー・ジャック・スウィングを取り入れた爽快なダンス・ビート"Here We Go Again!"、"Honey Dip"がヒット。


Portrait

Here We Go Again!

iTunes: https://apple.co/3JhzY62

デビュー・アルバム『Portrait』が全米アルバム・チャート最高70位と上々の成績を残したPortraitでしたが、彼らは元々ソングライター/プロデューサー・チームになりたかったようで、デビュー後もその想いを持ち続けていたとのこと。


デビュー後に[Motown Records]と契約していた3人組の女性R&BグループThe Good GirlsのA&Rを担当していたDarrale Jonesと繋がり、Darrale JonesがPortraitを気に入っていたことから、当時の[Motown Records]の看板アーティストの1人だったShaniceへの楽曲提供の話が持ち上がったとのことです。


ちなみに、このDarrale Jonesは2005年〜2013年までの間[Atlantic Records]の「Urban A&B」部門のシニア・バイス・プレジデントに就任していた人物で、あのCardi Bを[Atlantic Records]に引っ張ってきたやり手A&R。

Darrale JonesからShaniceに楽曲提供の話をもらったEric KirklandとMichael Angelo Saulsberryの2人は、自分達がアーティストだけではないという事を証明できるという理由でこの話に食いついたそうで、Shaniceに提供する為のデモ音源を制作。


結果的に"It's For You"と名付けられて世に出たこの曲は、コーラス・パートのメロディの心地良さが際立った1曲でしたが、この「心地良さ」を感じる秘訣の1つである、Shaniceの美声を存分に堪能する為に確保された「コーラス・パートの十分なスペース」に関して、Quincy Jonesから習ったという「沈黙は音階」という教えを表現したと語っています。


デモ音源を制作していた時、あまりゴチャゴチャしないようにスペーシーにしようとShaniceに伝え、結果的にShanice本人も彼らが作ったデモ音源に夢中になったそうです。


Eric KirklandとMichael Angelo Saulsberryの2人は、ポップ・ヒットした"I Love Your Smile"とは異なり、彼女の看板となるアーバン・レコードを作ることにフォーカスし、また当時Portraitのサウンドの評判も良かったので、Portrait流のサウンドをShaniceに提供したとのこと。


ちなみに、Darrale Jonesが担当していたThe Good Girlsが前年の'92年に"It Must Be Love"というシングルを発表していますが、この曲と"It's For You"の雰囲気がそっくりですよね("It Must Be Love"を手がけたのはKyle HudnallとLucresia Holbdy)。


The Good Girls

It Must Be Love

「世間を騒がせたけど、もっと売れても良かった」

Shaniceが歌う"It's For You"は、彼女のスタジオ・アルバムではなく、Luther Vandross, Naughty By Nature, Big Daddy Kaneらも出演したコメディ映画「The Meteor Man」のサウンドトラックに収録された楽曲でした。


シングルカットもされ、記述の通り全米シングル・チャート最高57位を記録した"It's For You"でしたが、作り手であるMichael Angelo Saulsberryは、「BeatsBoxingMayhem」の記事に"It's For You"への想いを振り返っています。


過小評価されていた。


この曲がラジオでかかった時、『OK, なんだかクールな曲が出来た』と感じて、『The Meteor Man』のサウンドトラックに採用された。


Robert Townsend(『The Meteor Man』の主演)はクールだと思うけど、あの映画が"It's For You"を売り出すのに十分人気があったかは分からない。


"I Love Your Smile"は彼女のポップ・ヒットで、私の曲はもっと大きなアーバン・ヒットとなるべきだった。


世間を騒がせたけれど、もっと売れてもよかった


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