Bruno Marsが「Finesse」で再現したNew Jack Swing。本家Teddy Rileyの反応は?
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更新日:5 日前

New Jack Swing人気を再燃させた「Finesse」
2016年11月、世界を躍らせたBruno Mars(ブルーノ・マーズ)のサード・アルバム『24K Magic』がリリース。
Brunoが幼少期から親しんできた、'80から'90年代R&Bへの愛を凝縮したこの一大プロジェクトの集大成とも言えるのが、アルバム8曲目に収録された「Finesse」
この曲は、'80年代後期に音楽プロデューサーTeddy Riley(テディ・ライリー)が、R&Bとヒップホップを融合させて生み出した「ニュー・ジャック・スウィング」を現代的に再解釈したことで、大きな話題を集めた楽曲。
Bruno Mars - 24K Magic
Brunoは、「Rolling Stone」のインタビューで「Finesse」の制作について次のようにコメント。
彼によると、『24K Magic』の発売前、「Finesse」は理想のサウンドを追求するため、何度も手直しを行った楽曲のひとつだったとのこと。
「グルーヴを邪魔している要素がいくつかあったんだ。ツアーでもテレビでも、僕たちを見たら自然と体が動くような音楽であってほしい。このアルバムでは特に『弾むようなノリ』を意識していた」
最終的に満足できる仕上がりになるまで、およそ20ものバージョンが制作されたという。
そしてアルバム発売から1年以上の時を経た、2018年1月。
『24K Magic』の興奮が少し落ち着いたこの時期に、突如リリースされた女性ラッパーCardi B(カーディ・B)を迎えたリミックス・バージョン。
それは単なる話題作りのコラボレーションではなく、'90年代サウンドへのオマージュを完成形へと導くと同時に、自身が多数の部門にノミネートされていたグラミー賞授賞式を目前に控え、『24K Magic』への注目を世界規模で最高潮に高めるための、極めて戦略的な一手。
Bruno Mars - Finesse (Remix) feat. Cardi B
このリミックスはMusic Videoも公開され、冒頭でBrunoやCardi Bがペンキのハケやスプレーを持って壁に落書きをしているセットは、'90から'94年まで米テレビ放送局「FOX」で放送されていた、黒人キャストが中心のコメディ番組『In Living Color』にオマージュを捧げた演出。
当時、白人中心だったテレビ業界において、ヒップホップ・カルチャー、ストリート・ファッション、そして黒人ならではの痛烈なジョークを全面に押し出し、若者を中心に爆発的な社会現象を巻き起こし、Brunoはこの番組への愛が強すぎるあまり、驚異的なクオリティで完全再現。
そんなBrunoのこだわりが詰まった「Finesse」は、結果的にグラミー賞にノミネートされなかったものの、この曲を収録したアルバム『24K Magic』は、第60回グラミー賞で「Record Of The Year」「Album Of The Year」「Best R&B Album」の3部門を受賞するという快挙を達成。
グラミー賞の歴史において、「年間最優秀レコード(Record Of The Year)」「年間最優秀アルバム(Album Of The Year)」「最優秀R&Bアルバム(Best R&B Album)」の3部門を、同一作品(およびその収録曲)で制覇したR&Bアルバムは『24K Magic』のみ(「Best R&B Album」部門の設立が'95年だったため、Michael Jackson『Thriller』などの歴史的名盤は対象外)。

例えば'90年代のカリスマLauryn Hillの歴史的名盤『The Miseducation of Lauryn Hill』の場合、「Album Of The Year」「Best R&B Album」の2部門を受賞したものの、その年の「Record Of The Year」はCeline Dionの「My Heart Will Go On」だったために3冠獲得ならず。
同じアルバムから「年間最優秀アルバム(作品全体)」と「年間最優秀レコード(特定の1曲)」を同時に受賞すること自体、ポップスやロックを含めた音楽界全体でも数年に一度しか起きない偉業。
それだけでも、『24K Magic』が残した功績の大きさを象徴するエピソードのひとつ。
そして受賞時のインタビューで、Brunoは次のようにコメント。
「15歳の頃、僕はハワイの『The Magic of Polynesia』というショーで前座を務めていたんだ。仕事は世界中からやって来る1,000人ほどの観光客を楽しませることだった。毎回10〜12曲くらいのセットリストを組んで歌っていたんだけど、正直に言うと、15歳の僕はかなりすごかったよ(笑)。そして後になって気付いたんだ。あの頃歌っていた曲の多くが、Babyface、Jimmy Jam & Terry Lewis、そしてTeddy Rileyによって書かれた曲だったってね」
New Jack Swing生みの親Teddy Rileyの反応は?
Bruno Marsがニュー・ジャック・スウィングを再現した理由は、自分が子供の頃に音楽から貰った「理屈抜きのハッピーなエネルギーを、もう一度現代に作り出すため」だったという。
そして「Finesse」を手がけたのは、Bruno率いる制作チームShampoo Press & Curl(シャンプー・プレス&カール)と、Brunoのヒット曲を数多く生み出してきたプロデューサー・チームThe Stereotypes(ザ・ステレオタイプす)。

彼らは、現代のポップスによくある「パソコンの画面上で既製の音源データを並べるだけ」という手法を拒むかのように、アナログの楽器を使用して「Finesse」を作り上げたとのこと。
The StereotypesのメンバーRomulusは、Brunoから次のようなリクエストがあったと、「WRAL」のインタビューで次のようにコメント。
「Brunoが『Keith SweatやBobby Brownみたいなサウンドが欲しい』と言ってきたんだ。俺たちは『それなら任せて』という感じだったよ。でも、そんなリクエストをする人なんて、一体いつ以来だろうって思ったね」
続けて、メンバーYipは制作当時の状況を次のように回想。
「彼のスタジオは、ミュージシャンにとっては、まるでお菓子屋さんみたいな場所なんだよ。スタジオを見渡すと、JunoやMoogをはじめ、想像もつかないようなアナログ・シンセがずらりと並んでいる。ライブ・ルームにはドラムセットが3台、ピアノが2台、さらにボンゴまで置かれていて、どれもすぐにレコーディングできる状態なんだ。自然とジャム・セッションが始まるような環境だったね」

では、この現代版ニュー・ジャック・スウィングを、本家Teddy Rileyはどう評価したのか。
Teddyは「REVOLT」のインタビューで次のようにコメント。
「Bruno MarsやThe Weekndのようなアーティストたちが、ニュー・ジャック・スウィングやファンクを現代的に解釈している。それぞれの表現方法は違うが、この音楽は決して色褪せない。なぜなら、すでにクラシックだからね」
そして「Essence」のインタビューでは、Brunoのグラミー賞スピーチに対して、次のように言及。
「まず第一に、これはBabyface、Jimmy Jam、Terry Lewis、そして私自身の価値を改めて高めてくれることなんだ。おかげで僕たちはさらに注目され、この世界で存在感を保ち続けることができる。神様は私たちを通して他人を祝福し、時には私たち自身も祝福を受ける。私はどちらかというと与える側の人間で、誰かに与えることが好きなんだ。私にとって最高の贈り物とは、誰かが自分たちに敬意を払ってくれることなんだ。だから、本当に素晴らしい気持ちだよ」





































