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  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Ella Mai▶︎▶︎"Boo'd Up"のトラックは、ジョニー・ギルのある曲をベースに作られた楽曲だった。

更新日:3月31日


ella mai boo'd up
過去10年にブレイクした女性R&Bシンガーの中で、最も成功したシングル

英ロンドン出身のアーティストながら、全米シングル・チャート最高5位を記録した"Boo'd Up"に対して、過去10年にブレイクした女性R&Bシンガーの中で、最も成功したシングルと絶賛したのは、米エンターテインメント・メディア誌の「Rolling Stone」


「心の奥にあるこの気持ち。


本当の私じゃないみたい。


あなたと一緒にいると息もできない。


この気持ち、どうにかしてよ。


新しい人を見つけるまで、忘れられない。


あなたのように、私をハイな気持ちにさせる人は。


この鼓動を聞いて、恋しちゃうわ (Boo'd Up)」


「Boo」というワードは、スラングで「恋人」という意味合いで使われますが、「Boo'd Up」とは「恋に落ちる、恋人になる」と言った意味合いで使われるとのこと。


"Boo'd Up"1曲でR&BスターになったElla Maiですが、実はこの曲のトラックは、Johnny Gillのある曲をベースに作られた楽曲とのこと。


Ella Mai

Boo'd Up

"Boo'd Up"のトラックは、Johnny Gill"There U Go"をベースに作られた楽曲だった

Ella Maiが2017年にリリースしたEP『Ready』の冒頭に収録された"Boo'd Up"。


この時点ではまだMVも作られていなく、特別目立った楽曲という印象はなかったものの、EP『Ready』のリリース後にクラブ、ラジオ、SNSなどで徐々に話題となり、MVが作られた時点で完全にブレイクした"Boo'd Up"。


公開されたMVには、R&BシンガーのKhalidらも出演して大きな話題になりました。



2010年代のR&Bシーンを代表する1曲となったElla Mai"Boo'd Up"は、以下の制作メンバーによって作られました。


Joelle James (songwriter)

Ella Howell (songwriter)

Dijon McFarlane (songwriter)

Larrance Dopson (songwriter)

Mustard (produce)

Dopson (co-produce)


実はこの制作メンバー中の女性シンガー/ソングライターJoelle Jamesが、2014年に自身の為に書いた楽曲が今回の"Boo'd Up"で、最終的にはElla Maiに提供する形となったとのこと。

Joelle Jamesは、自身の為に"Boo'd Up"を作った2014年当時の様子を、「The FADER」のインタビューにて次のように答えています。


Shawn Barron([Motown/Capitol Records]A&R担当副社長)が、少しの時間だけスタジオで作業する機会をくれたの。


あれは私が1番好きな曲の作り方だったわ。


スタジオには私とエンジニアしかいなかった。


いくつかのビートを聴いた中で、その中の1つが私の心に刺さったの。


Johnny Gillの楽曲をサンプリングした私が書いたオリジナルの"Boo'd Up"。


クラシックなR&Bサウンドだった、あれは本当にR&Bマジックだったわ


Joelle Jamesの心を動かしたJohnny Gillの楽曲とは、Eddie Murphy主演映画「Boomerang」のサウンドトラックに収録され、Babyface, L.A. Reid, Daryl Simmonsによって書かれた"There U Go"だったとのこと。


両曲を聴き比べると、イントロ、曲構成、曲の雰囲気など、似ている部分を多く感じますね。


Johnny Gill

There U Go

恋愛のモヤモヤから偶然生まれた"Boo'd Up"というキラー・ワード

Joelle Jamesは、同じく「The FADER」のインタビューにて、どのようにして"Boo'd Up"という言葉が出てきたかということも語っています。


当時、私はある男性に自分の気持ちを伝えたかったけど、それが出来ない状況だったの。


だからとても不安な気持ちだった事を覚えている。


そんな状況に対して私が出来る唯一のこと、それが自分の気持ちを音楽にすることだった。


だから"Boo'd Up"の歌い出しの『心の奥にあるこの気持ち。本当の私じゃないみたい』は、あの時に私が感じていた気持ちそのものなの。

フックの部分でさえも予想外だったわ。


さっきも言った通り、私に与えられたスタジオでの作業時間が限られていたから、その時間内で良い結果を出して、価値あるものにしたかった。


それで、ジャジーな感じのヴァイブでスキャットしていたの(主にジャズで使われる歌唱法で、メロディに合わせて「シュビドゥワ」「パヤパヤ」など、特に意味のないフレーズを即興で歌うこと)。」


曲を作り終えるまで、自分が"Boo'd Up"って言ったのさえ気が付かなかったわ。


その後、リリックを付け加えた方が良いかと思って何度か曲を聴き返したけど、やっぱり"Boo'd Up"っていう言い方が好きだったから、そのまま残すことにした。


その時から、この曲が本当に特別な曲だって分かったわ

"Boo'd Up"は、Waleを迎えてリリースされる予定だった?

女性シンガー/ソングライターJoelle Jamesによって書かれた"Boo'd Up"ですが、彼女は米カリフォルニア州マリエータ出身、米国の名門音楽大学として知られるバークリー音楽大学を卒業後、YouTubeにAlicia Keys, Mary J. Bligeらのカバー曲を公開し、この動画に食いついたのがあのChris Brown。


この直後に、Joelle JamesはChris Brownのレーベル[CBE]との提携により、[CBE]の親レーベルである[Interscope Records]と契約を結びました。

Joelle James自身、元々ソングライター志望ではなかったようですが、Chris Brownをはじめ、[CBE]在籍時に様々な作家やプロデューサーの元で作曲の手法を取得。


[CBE]は、Joelle Jamesを「ホワイト・ソウル・シンガー」として売り出すことに苦労していたとのことで、最終的には2015年に[CBE]から離れることとなりましたが、時系列で振り返ってみると、この[CBE]在籍時に"Boo'd Up"を製作していたこととなります。


その後、"Boo'd Up"のデモ音源はリリース先を求めて様々なレーベルに渡っていき、[Atlantic Records]の音楽プロデューサーMichael Carenと、ラッパーのWaleがこのデモ音源を気に入り、WaleはJa RuleとAshantiの"Always On Time"のようだと表現していたとのこと。


Ja Rule

Always on Time feat. Ashanti

そしてWaleの手が加えられて仕上げられていった"Boo'd Up"でしたが、何故か音楽ファイルが消えてしまい、最終的には[Atlantic Records]からはゴー・サインが出ずにプロジェクトは白紙に。


Joelle Jamesは、とにかくこの"Boo'd Up"に対して特別な想いを持っていて、自分自身でもこの曲を歌ってきたことから、作り手であるJoelle James自身が歌うという選択肢は考えていたものの、曲自体のポテンシャルを信じて他のアーティストに歌わせることを決断。


他の何人かのアーティストがこの曲をリリースすることに興味を示していたそうですが、そこにはとても高い基準を設けていたとのこと。


私が歌わないのであれば、それは誰か特別な人でなければいけなかったの


そんな"Boo'd Up"は最終的にElla Maiの手に渡り、Joelle Jamesにとっても最高の形でフィックスすることとなりました。

"Boo'd Up"の他にも、Chris Brown, JoJoらの楽曲を手がけてきたJoelle James

ただスタジオに入ってレコーディングをするの。


紙とペンは使わない。


このやり方で上手くやれているから、他のソングライターと一緒に曲は書かないわ


自身の作曲スタイルをこのように明かしたJoelle Jamesは、"Boo'd Up"以外にもChris Brown, JoJo, Justin Skyeらに楽曲を提供し、現在はJay-Zのレーベル[Roc Nation]と作家契約を結んでいます。


そんなJoelle Jamesは、[CBE]時代には達成できなかったアーティスト活動もスタートさせており、Mariah Carey"Honey"にインスパイアを受けた"Apply Pressure"などを発表しています。


Joelle James

Apply Pressure


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