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JOHNNY GILL|「俺にはこの曲が分からない」"My My My"が好きじゃなかったと激白。

  • 執筆者の写真: R&B SOURCE
    R&B SOURCE
  • 8月18日
  • 読了時間: 4分

"My My My"が好きじゃなかったと激白したJohnny Gill。

'90年代R&Bスロウの傑作"My My My"


'83年にアルバム『Johnny Gill』でソロ・デビューし、後に加入したNew Editionでの成功を経て、デビュー・アルバムと同タイトル名の『Johnny Gill』を'90年に発表したJohnny Gill。


全米アルバム・チャート最高8位を記録し、Johnny Gillの最高傑作となったこの'90年リリースの『Johnny Gill』に収録されたのが、'90年代を代表するスロウ・ジャムとしてお馴染みの"My My My"。


Johnny Gill|Johnny Gill



BabyfaceとL.A. Reidがプロデュースを、そしてBabyfaceとDaryl Simmonsがソングライティングを担当したこの曲は、当初Babyface自身が歌う予定だった曲で、Babyfaceは「Billboard Magazine」のインタビューで元々は自分用の曲として作ったものの、Johnnyが彼の歌に変えたとコメント。


曲のタイトルである「My My My」というフレーズは、曲中で何度も繰り返され、恋人への「君はなんて素敵なんだ」という気持ちを表現。


究極の褒め言葉のようでありながら、もっとエスニックな響きを持つものを探していたという当時のBabyfaceは、そのヒントをゴスペル・グループThe Winansの楽曲を聴いているときに得たようで、「Songfacts」の記事にて、Babyfaceは次のようにコメント。

「Marvin Winansが歌い始めるとき、『My, my, my, my, my』と歌うんだ。その響きがすごく気に入って、僕も歌うときに『My, my』と口ずさむようになり、それがやがて曲になったんだよ」

そしてJohnny Gillは、バラードを歌う際のこだわりを次のようにコメント。

「バラードは、まずしっかり覚えるようにしているんだ。実際に歌い込んで、聴いて、1日くらいその曲と一緒に過ごして、歌詞を完全に覚える。そうすることで、ただ譜面を見ながら歌うんじゃなく、もう一度戻ってきた時に心から歌えるんだ。バラードはとても親密でパーソナルなものになるから、自分自身をそのムードに完全に浸すようにしているんだ」
Johnny Gill
Johnny Gill

「赤いドレスを着て、そしてハイヒールを履いて、 そして甘い香水をつけて。


それは君に似合うから。


口紅を塗って、髪を全て下ろして。


君が全てをやり終える頃、僕は君に見せるつもりだよ。


今夜が特別な夜になる、どこへ行こうと関係ないさ。


君と一緒にいられることが誇らしい、その気持ちをただ伝えたいんだ。


思わず『マイ、マイ、マイ、マイ、マイ、マイ』って口にしてしまう。


今夜の君は本当に美しいよ」


After 7がバックボーカルを担当し、サックス奏者のKenny Gが参加するという豪華な演出も話題となり、"My My My"は全米シングル・チャート最高10位、そして全米R&Bシングル・チャートは1位を達成し大ヒットを記録。


しかし、当のJohnny Gill本人は、当初"My My My"が好きじゃなかったと激白。

「俺にはこの曲が分からない」

Johnny Gill|My My My




「この曲が偉大になるなんて少しも思わなかった」


Bobby Brown脱退後の'88年に発表されたアルバム『Heart Break』から、New Editionのメンバーに加わったJohnny Gill。


この『Heart Break』は、Janet Jacksonが'86年にリリースしたアルバム『Control』のメイン・プロデュースを担当し、同アルバムを全米アルバム・チャート1位という大成功に導いたプロデューサー・デュオJam & Lewisが全面制作したアルバム。


New Edition|Heart Break



『Heart Break』は全米アルバム・チャート最高12位という堂々の結果を残したものの、この作品をリリースした後にNew Editionは一時活動停止となり、このタイミングで[Motown Records]とソロ契約を結んだJohnny Gillは、Jam & Lewisを迎え入れてソロ・アルバムを制作。


そして、彼らの他にJohnny Gillをサポートたのが、Jam & Lewisと同じく'80年代後期からヒット曲を量産したBabyface, L.A. Reid, Daryl Simmonsの3人。


L.A. Reid Daryl Simmons Babyface
L.A. Reid Daryl Simmons Babyface

当時最も勢いがあった彼らが、Johnny Gillに提供した渾身のスロウ・ジャムだった"My My My"。


しかし、Johnny Gillは当初この曲に疑問を抱いていたと、「Billboard」のインタビューでコメント。

「"My My My"を初めて聴いた時、俺はこの曲をJimmy JamとTerry Lewisに聴かせた。そして俺は言ったんだ、『俺にはこの曲が分からない』って。Jam & LewisやBabyfaceのようなプロデューサーと仕事をする時、彼らがこれまでに作ったヒット曲に近いサウンドを提供してくれるんじゃないかって、いつも期待している。でも、与えられた曲が思っていたような雰囲気じゃなかったら、『ちくしょう、彼らは俺に最高の曲をくれなかった』と思うはずさ。でも、彼らがこれほど成功しているのは、すべての人に独自のスタイルとサウンドを構築して提供することなんだ。それが彼らのやり方だとは、当時は全く気が付かなかったよ」
Johnny Gill
Johnny Gill

また「EBONY Magazine」のインタビューでは次のようにコメント。

「俺は"My My My"が本当に好きじゃなかった。この曲が偉大になるなんて全く思わなかった」

Bobby Brownが歌った"Every Little Step"もBobby本人は好んでおらず、またBoyz Ⅱ Menの"End of the Road"もリリース前はメンバーから嫌われていたりと、後にどれだけ偉大になる曲であっても、制作の段階では歌い手から好かれないということは多かれ少なかれ耳にする話。


しかし、"My My My"を通じてBabyfaceとL.A. Reidの成功パターンを目の当たりにしたJohnny Gillは、これが俺にアイデンティティを与えてくれた曲で、とても感謝していると、最終的には彼らの手腕を絶賛。





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