J. Holiday「Bed」の制作秘話|なぜThe-Dreamは、Chris BrownではなくJ. Holidayを選んだのか?


Chris Brownではなく、J. Holidayに「Bed」を提供することを決めたThe-Dream
2007年、当時まだ新人だったJ. Holidayによる「Bed」は、The-DreamとLos Da Mystroが手がけた官能的なサウンドと、恋人との親密な時間を描いた歌詞が多くのリスナーを魅了。
全米シングル・チャートで最高5位、そして全米R&Bシングル・チャートでは1位を獲得した、2000年代を代表するスロウ・ジャムのひとつ。
実はこの曲、当初からJ. Holidayのために用意された曲だったわけではなく、Chris Brownをはじめとする別のアーティストの名前も浮上していたという。
なぜThe-Dreamは、当時まだ新人だったJ. Holidayにこの曲を託したのか。
その理由を、The-Dreamは「UrbanBridgez」のインタビューで次のようにコメント。
「ソングライターとして、他人の意見に左右されるわけにはいかないし、自分の信念を見失いたくないんだ。ヒットする曲というのは、誰が歌おうとヒットするものだからね。レコード会社の幹部たちからも、『もっと大物のスターにこの曲を渡すべきだ』とか、あれこれ言われたよ。でも、俺はJ. Holidayには、これからスターになるだけの素質があると思っていたんだ。まだそこまで評価していない人もいるかもしれないけど、彼はスターになる男だよ。彼とはよく顔を合わせていたし、だからこそ彼にこの曲を渡したかったんだ。ただ、この曲を彼に渡したことで、腹を立てた人は大勢いたね。Chrisなんて、今でも怒っているよ。でもまあ、そのうち気が済むだろうけどね(笑)」
しかし、Chrisへの楽曲提供には、思わぬ壁が立ちはだかっていたとのこと。
The-Dreamが「RealTalk」のインタビューで語った内容によると、Chrisが所属していた[Jive Records]の幹部たちが、ある問題を懸念していたという。
「俺とChrisが話し合う前に、まず彼のレーベルの幹部たちと話をしていたんだ。問題になったのは、曲の歌詞の一部だった。彼らは歌詞の多くを変更したがっていた。でも、俺にはそのつもりはなかった。18歳のアーティストにこの曲を歌わせるために歌詞を変えることは、曲本来の魅力を損なうことになりかねなかったからね」
若いアーティストのイメージに合わせて歌詞を変更し、曲本来の魅力を損なうことを避けたThe-Dreamは、自らのビジョンを貫くことを選択。
そして、最終的にこの曲を託されたJ. Holidayは、その官能的な世界観を見事に歌い上げ、「Bed」は彼のキャリアを象徴する代表曲のひとつとして広く知られることに。
「ねえ、俺の好きなヴィクトリアズ・シークレットの下着に着替えてよ。
そう、いいね。今夜は君の好きなようにしていいよ。
香水を吹きかけて、ふたりの愛を部屋いっぱいに漂わせよう。
さあ、僕のすぐ隣に来て。
部屋の温度を上げていこう。
まずは、いつものように僕の背中を撫でて。
そう、そこだよ。
君は僕を大切に思っているかのように触れてくれる。
さあ、今度は僕にお返しをさせて。
この一週間、頑張ってきた君を労わせてほしいんだ。
朝から夕方まで働いて、それでもいつも可愛らしくしている君をね」
J. Holiday - Bed
初めて「Bed」を聴いた時に戸惑ったというJ. Holiday
The-Dreamから初めて「Bed」の音源を聴かされた際、J. Holidayはある戸惑いを覚えたのだという。
J. Holidayは、ポッドキャスト「Eating While Broke」で当時の状況を次のようにコメント。
「最初に聴いたときは、あの曲が好きじゃなかったんだ。いや、曲そのものが嫌いだったというのは違うな。それは嘘になる。The-Dreamが書いた曲だし、曲自体は好きだったんだよ。彼は仮歌も入れていたんだけど、最初から最後まで全部ファルセットで歌っていたんだ。だから、俺がレコーディングしようとしたとき、『こんな曲を最初から最後まで、ずっとファルセットで歌いたくないな』って思ったんだよ。なんというか、それは自分にはしっくりこなかったんだ。するとエンジニアが、『じゃあ、違う歌い方をするとしたら、どう歌う?』って聞いてきたんだ。俺は『最初から普通の声で歌い始めるよ』と答えた。それで、あの歌い方になったんだ。



































