H-Townが、デビュー曲「Knockin' Da Boots」で仕掛けた計画的戦略。「子供っぽい曲でデビューするべきじゃない」


大人のR&Bを打ち出して大成功したデビュー曲「Knockin' Da Boots」
一卵性双生児の兄弟であるDinoとShazam、そして彼らの幼馴染だったG.I.の3人で結成されたR&BグループH-Town。
彼らの代表曲といえば、Zapp「Be Alright」をサンプリングしたことでも注目を集めた、'93年リリースのデビュー・シングル「Knockin' Da Boots」
実はこの曲をリリースするにあたり、彼らは同世代のグループたちの動向を徹底的に研究していたという。
メンバーのShazamは、「Halftime Chat」のインタビューで次のようにコメント。
「当時は、The BoysとHi-Fiveが最も人気のあるティーンエイジャーの男性R&Bグループだった。だから俺たちは彼らを研究していたんだよ。ティーン・グループから大人のグループへと移行していくのは、難しいことなんだよ。The Boysもまさにそういう経験をしていて、俺たちは彼らがその壁にぶつかるのを見ていたんだ。だから俺たちが本格的にレコード契約を結んだのは、Dinoが16〜17歳くらいの時だった。彼は『もうすぐ18歳になるんだから、子供っぽい曲でデビューするべきじゃない』と言っていてね。実際には俺たちもまだ16〜17歳だったんだけど、時代の移り変わりを見てきたからね。The Boysの勢いが落ちていった時、彼らはまだ13歳くらいだったのに、世間からは『もう彼らも老けたのか?』なんて言われていた。大人の音楽を歌おうとしても、『いや、まだ子供っぽいことやってるじゃん』と思われてしまう。だから俺たちは、最初から大人のように歌うグループにしようと思ったんだ。だからこそ俺たちの曲のタイトルは'Knockin' da Boots'や'Lick U Up'みたいな、大人向けで刺激的なものばかりだったんだよ。俺たちが上がっていこうとしていた時期に、Hi-Fiveですら苦戦している状況を見て、『10代から大人への脱皮に苦戦しているなら、最初から成熟した大人の男としてデビューすればいいんだ』と考えたんだ」
H-Town - Knockin' Da Boots
当時のティーンズR&Bといえば、「同世代のリスナーが共感できる初々しいラブ・ソング」が、ひとつの定番ともいえるアプローチ。
例えば、Hi-Fiveが全米シングル・チャート1位という快挙を達成した「I Like The Way (The Kissing Game)」は、子供の頃に女の子たちを追いかけ、捕まえてキスをするという、彼らが幼い頃に流行していた遊びから着想を得た楽曲。
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Hi-Five - I Like The Way (The Kissing Game)
しかし、当時人気を集めていたThe BoysやHi-Fiveを研究していた彼らは、ティーン・グループから大人のグループへと移行していくことの難しさを認識していたことから、いきなり「大人のR&B」で勝負したという流れ。
そして'93年に、デビュー・シングル「Knockin' Da Boots」をリリースしたH-Town。
当時まだ全員18歳だった彼らが歌ったのは、大人の男女の肉体的な愛をテーマにした、濃密でセクシーなスロウ・ジャム。
「昨夜、俺たちが昔、愛し合ったことを思い出した。
一晩中、Marvin Gayeを聴きながら。
今、あの頃の関係をもう一度取り戻したい。
あの瞬間を、もう一度現実にしたいんだ。
だから、もう一度俺たちのためにしてくれないか。
最高の愛、身体を揺らしながら。
夜通し、愛し合ううんだ。
夜が明けるまで、疲れ果てるまで愛し合おう。
明かりを落として、俺に任せてくれよ。
だって、俺と君、2人だけならきっと最高になる。
俺に最高の愛をくれないか。
それが俺に必要なすべてなんだ。
本当に、それだけが欲しいんだ」
彼らは、このデビュー・シングルでいきなり全米R&Bシングル・チャート1位を獲得。
またデビュー・アルバム『Fever For Da Flavor』も全米R&Bアルバム・チャート1位を獲得するなど、デビュー直後から大成功を収めることに。
ちなみに、曲名の「Knockin' Da Boots」は、当時のR&B/ヒップホップ・シーンでも使われていた、「セックスをする」という意味のスラング。



































