top of page
  • 執筆者の写真R&B SOURCE編集部

Portrait▶︎▶︎「俺達はNew Jack Swingのグループじゃない」彼らの真骨頂はスロウにあり?

更新日:2022年8月30日


ニュー・ジャック・スウィングのイメージが強かったPortrait

'92年にアルバム『Portrait』でデビューした米ロサンゼルスのR&BカルテットPortraitは、攻撃的かつ爽快なスウィングR&Bで人気を集めたR&Bグループでした。


メンバーはMichael Angelo Saulsberry, Irving Washington III, Eric Kirkland, Philip Johnsonの4人で、プロデュースまで行えるMichael Angelo Saulsberryを中心とし、各メンバーが制作に携わるセルフ・プロデュース力の高さも彼らの魅力でした。


Portraitがデビューした'92年当時と言えば、前年の'91年にHi-Five"I Like The Way (The Kissing Game)"が全米シングル・チャート1位を記録するなど、Teddy Riley発案のニュー・ジャック・スウィングがまだまだ人気を保持していた時期。


Hi-Five

I Like The Way (The Kissing Game)

produced by Teddy Riley

そんなニュー・ジャック・スウィング熱がまだ冷めていない時期にデビューしたPortraitの代表曲は、シングルカットされたニュー・ジャック・スウィングの"Here We Go Again!"、そして"Honey Dip"。


特にデビュー・シングル"Here We Go Again!"は、Michael Jackson"I Can't Help It"をサンプリングしたトピックも手伝い、全米シングル・チャート最高11位を記録し大ヒット。


"Here We Go Again!"と同テイストのセカンド・シングル"Honey Dip"も含め、デビュー・アルバム『Portrait』の過半数はスウィングR&Bという内容になり、「Portraitと言えばニュー・ジャック・スウィング」と言ったイメージが強いですが、当の本人達はこの見解を真っ向から否定。


それは大きな誤解だ。俺達はニュー・ジャック・スウィング時代の一部ではなかった


Portrait

Here We Go Again!

produced by Portrait

俺達はTeddy Rileyと一緒に音楽を作ったことは一度もない

メンバーのPhilip Johnsonは、「The Root」のインタビューにて以下のように答えています。

俺達はTeddy Rileyと一緒に音楽を作ったことは一度もないし、俺達はニュー・ジャック・スウィング時代の一部だったとも思っていない。


デビュー以前にニュー・ジャック・スウィングを色々と試したことはあったけど、最終的には俺達のサウンドとは趣向が異なった


ニュー・ジャック・スウィングはPortraitのスタイルではなかったと言い切ったPhilip Johnsonですが、やっぱりPortraitと言えばスウィングR&Bのイメージが強いですよね。


"Here We Go Again!"、"Honey Dip"、さらにデビュー・アルバムの冒頭に収録された"Commitment"も、本当に素晴らしいスウィングR&Bでしたし。


Portrait

Commitment

produced by Portrait

Philip Johnsonいわく俺達は17歳の頃からバラードやスタンダードな楽曲を書いてきたとのことで、彼らの意向通りデビュー・アルバム以降の作品ではスウィングR&Bを封じて、ミッドやスロウを中心とした内容にサウンドをシフト。


デビュー・アルバムではレーベル側の意向も含めてコマーシャル的な打ち出しもあったのかもしれませんが、セカンド・アルバム以降のサウンドが真のPortraitの姿ということかもしれないですね。


ちなみに、Portraitは2000年代以降も活動を続けていますが、現在は、Irving Washington III, Eric Kirklandが脱退し、オリジナル・メンバーはMichael Angelo SaulsberryとPhilip Johnsonの2人。


新加入のメンバーとして、Dr. Dreに見出されて'92年に[Ruthless Records]からアルバム『No Money No Honey』でデビューしたR&BグループPo', Broke & Lonely?のリード・ヴォーカルRuben Cruzがメンバーに加わり、現在はトリオ体制で活動しています。


2018年頃にアルバム『Beach Music』をリリース予定でしたが、2020年にタイトル名『Afro Trees』に変更してアルバムを発表したPortrait。


'90年代にR&Bシーンを大いに盛り上げたヴェテラン・グループは、今も元気に活動中です。


Portrait

Afro Trees

iTunes: https://apple.co/3fohc0f



関連記事

"Don't Walk Away"で知られるJadeは、即席で作られたセッション・グループだった。

2Pacと共演した伊達男Jon B.。"Are U Still Down?"は、何故2Pacの生前にリリース出来なかったのか?

「一度も話はなかった」Lauryn Hillは何故セカンド・アルバムを作らなかったのか?

  • Twitter
  • YouTube
  • Instagram
bottom of page