Roy Ayers"Everybody Loves the Sunshine"をサンプリングした"My Life"
Mary J Blige自身が「過去の過ちや苦しみが詰まっていて、最も自分自身を反映した作品」だと振り返る『My Life』は、'94年にリリースされたセカンド・アルバム。
トリプル・プラチナを達成したデビュー・アルバム『What's The 411?』とほぼ同規模のセールスを記録した、'90年代を代表するR&Bアルバムの傑作でした。
・What's the 411? - 全米アルバム・チート最高6位
・My Life - 全米アルバム・チート最高7位
そんなアルバム『My Life』の表題曲"My Life"は、Roy Ayers Ubiquityが'76年にリリースした"Everybody Loves the Sunshine"をサンプリングした1曲として人気を集めていますが、この"My Life"こそ「Mary J. Bligeの全ての原点」と呼べる重要な1曲でした。
My Life
Mary J. Blige
iTunes: https://apple.co/3AY3Hxn
Mary J. Bligeが、"My Life"で"Everybody Loves the Sunshine"をサンプリングした理由とは?
Mary J. Bligeが幼少期を過ごしたのは米ニューヨーク市の北部に位置するヨンカーズで、今でこそ治安は悪くないとされている地区ながらも、Mary J. Bligeが育った'70年代はこの地で夢や希望を持つことは許されず、幸せそうに振る舞うだけで妬みの標的になったことから、Mary J. Bligeもこの環境で生き抜く為に幼少期は笑ったことが無かったという程。
そんな過酷な環境で日々の生活を過ごす中、ある1曲との出会いがMary J. Bligeの人生を激変させることに。
それがRoy Ayers Ubiquityの"Everybody Loves the Sunshine"だったとのこと。
Everybody Loves the Sunshine
Roy Ayers Ubiquity
iTunes: https://apple.co/3HvPRVf
Mary J. Bligeは、この曲を聴いた時の様子をAmazon Prime Videoのドキュメンタリー「Mary J. Blige's My Life」で次のように語っています。
「"Everybody Loves the Sunshine"を聴いて、なぜか私の中の全てがはじけた。
子供の時に初めて夢中になった曲で、暮らしている環境を忘れられたわ。
この曲の歌詞を聴いて、夢を持てると感じたの」
「太陽に照らされた、私の明るい人生」と歌う、"Everybody Loves the Sunshine"のポジティブな歌詞に希望を感じたというMary J. Blige。
ただ、'70年代ソウルやディスコの中にはポジティブな内容を歌う曲も当然多いはずで、とりわけ"Everybody Loves the Sunshine"に夢中になった理由は他にもあるはず。
鬱病患者に「大丈夫、頑張れ」というポジティブな声かけが逆効果になるように、Mary J. Bligeが生きた環境では曲調も歌詞も全てがポジティブな雰囲気の曲では、逆に現実味がなさすぎて感情移入できず、メロウながらもどこか寂しさや憂鬱さを感じる"Everybody Loves the Sunshine"の独特な曲調が、当時のMary J. Bligeにとってはどんな曲よりも心に響いた、そう捉えられるかもしれないですね。
Mary J. Bligeの原点こそ、Roy Ayers Ubiquity"Everybody Loves the Sunshine"にあり。
My Life
Mary J. Blige
iTunes: https://apple.co/3AY3Hxn
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