R&B SOURCE編集部
Deep Side▶︎▶︎"What I Need"が正規リリースされていたら、「第2の"So Sick"」になれた?

"So Sick"級のインパクトだったDeep Sideの"What I Need"
Ne-Yoの"So Sick"が全米シングル・チャートを制したことにより、R&Bシーンの流れが大きな変化を見せた2005年。
Ne-Yoの活躍はこれまでのアーティストとは一線を画し、シーンを振り返る際に「Ne-Yo登場前」「Ne-Yo登場後」と言われるほど、Ne-Yoの登場自体がR&Bシーンにとって大きなターニング・ポイントに。
So Sick
Ne-Yo
iTunes: https://apple.co/3IfjVEC
歌い手であるNe-Yoが大きな注目を集めたことはもちろん、この"So Sick"を手がけたプロデューサー・デュオStargateも瞬く間にトップ・プロデューサーへと上り詰め、'90年代のR&Bシーンを代表するプロデューサーがJam & Lewis, Babyface & L.A. Reidなら、2000年代はStargateだと断言できるほどにヒット曲を量産。
"So Sick"のヒットをきっかけに、StargateはBeyonce"Irreplaceable"、Lionel Richie"I Call It Love"など、"So Sick"をなぞるような美しいメロディのR&Bを次々と発表し、シーン全体がStargateの次の1手を常に待ち続けるという状況になった中、R&Bファンを虜にした1曲が2007年リリースの"What I Need"。
まるで"So Sick"の続きと言わんばかりの、美しさの到達点も言えるStargate流の極上メロディに吸い込まれるこの"What I Need"は、ある女性と出会ったことで全てが一変し、これまで付き合っていた女性が運命の人ではなく、この人が運命の人だと感じる様を歌った男のラブ・ソング。
「君にあったとき、自分らしくいられたんだ。
君だけが俺に愛を見せてくれた。
俺は何も求める必要はなかった。
彼女といるときは、常に何かを求めた気がする。
今、俺は誰を選べばいいか気付いたんだ。
彼女は俺が望むものを持っているかもしれない。
だけど俺には君が必要なんだ。
彼女は映画に出てくる女の子みたいに素敵さ。
でも俺には君しかいないんだ。
以前は彼女がセクシーだって思ったよ。
なんで彼女と一緒にいたのか、その理由は分からない。
でも今はっきりと分かっていることは、俺に必要なのは彼女じゃない、君なんだ」
What I Need
Deep Side
iTunes: https://apple.co/32dwG38
この"What I Need"を歌うのは4人組男性R&BグループのDeep Sideで、2002年にインディーズからアルバム『Deep Side』を発表した彼らは、2000年代中期に[Jive Records]と契約し、同レーベルから"What I Need"を含む2つのシングルをリリース。
"What I Need"をリリースする前年の2006年に彼らが発表した"Let's Make Love"は、同じくStargateがプロデュースを担当し、R. Kellyをフューチャリングに招くという豪華さだったものの、結果的には"Let's Make Love"も"What I Need"もプロモ盤のみのリリースで正規リリースにまでは至らず(現在、"What I Need"は[BMG]のコンピレーション・アルバムに収録され、デジタルでは入手可能)。
Let's Make Love feat. R. Kelly
Deep Side
2000年代後半、[Jive Records]からはChris Brown, Joe, R. Kelly, Usherらがアルバムをリリースし、いずれのアルバムもチャートの上位を記録するビッグ・ヒットとなったこともあり、同レーベルとしてはDeep Sideへのプライオリティを下げざるを得なかったのかもしれないですね。
Ne-Yoの全盛期だった2007年に、もしDeep Sideが"What I Need"を正規リリースすることができていたら、"So Sick"のような大ヒットを記録していたかもしれない。
"What I Need"があまりにも魅力的な曲だっただけに、そう考えると少し悔しさが残りますね。
ちなみに、今回の"What I Need"をStargateと共に手がけたシンガー/ソングライターのTaj Jacksonが、2011年にセルフ・カバーとして"What I Need"を発表しています。
What I Need
Taj Jackson
iTunes: https://apple.co/3FWI9SN
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