- R&B SOURCE編集部
Vega▶︎▶︎「宇宙」が失敗の原因?ダラス・オースティンが絶賛したヴェガは、ナゼ成功しなかったのか?
最終更新: 1月24日

Dallas Austinが絶賛した影の実力派R&BグループVega
BrandyとMonicaのコラボレーションで話題となった"The Boy Is Mine"が発表されたのが'98年。
全米シングル・チャート1位を記録したこの歴史的コラボレーション曲を手がけ、トップ・プロデューサーとしての地位を確立したDallas Austinは、当時自身のレーベル[Freeworld Entertainment]を設立。
有力な若手アーティスト達のサポートを目論んで立ち上げられたレーベルで、この[Freeworld Entertainment]からデビュー予定だったのが、R&BグループVega。
Dallas Austinが認めたグループだけにシーンからの期待値も抜群。
'99年にシングル"Let Me Get It"でデビューを飾りました。
Vega (ヴェガ)
Let Me Get It
元々はFour Menというグループ名で活動
Vega名義でデビューする前、グループはFour Menというグループ名で活動。
米ミシガン州デトロイト出身の彼らは、EugeneとAhsohnのWilliams兄弟に、彼らの従兄弟であるJason Chenevert, そして友人のTennell Williamsの4人組。
R&BデュオGuesssのリリース元でもあるインディーズ・レーベル[Los Entertainment]から、'98年にEP『Four Men』でデビュー。
Guesss, Boyz Ⅱ Men, SWVらの楽曲を手がけてきたPaul D. Allen, そしてPaul D. Allenも在籍するプロデューサー・チームPajamも制作に携わった知る人ぞ知る好盤。
デビューEPをリリースした後、Dallas Austinのサポートを受けてグループ名をVegaに変更しました。
Four Men (フォー・メン)
Can I Dance With You
「宇宙」をテーマに、Dallas Austinが総合プロデュースしたアルバム『Life On Earth』はお蔵入りに
当時Dallas Austinが「Vagaのアルバム『Life On Earth』は、TLCの『Fanmail』みたいにフューチャリスティックなところがある」と語っていました。
時を戻して'92年、TLCのデビュー・アルバム『Ooooooohhh... On the TLC Tip』の主要曲を手がけたDallas Austinは、当時自身もメンバーの一員として活動していたR&BグループHighland Place Mobstersのアルバム『1746DCGA30035』を、男版『Ooooooohhh... On the TLC Tip』的な内容として世に公表しましたが、Vegaのデビュー・アルバム『Life On Earth』も正に男版『Fanmail』的な内容を目指していたのではないでしょうか。
Vegaのデビュー・アルバムに関して、Dallas Austinは当時このように語っています。
「Vegaっていう名前は星の名前だよね。
サウンド的にもどこか別の星からやってきたようなものにしたかったし、彼らをスターにしたいという気持ちがあったよ」
しかし、結局アルバム『Life On Earth』は正規リリースされることなくお蔵入りに。
Vegaが活動してた'90年代の終わりから2000年代の初期にかけて、TLC『Fanmail』のリリースがきっかけとなりサウンドのトレンドが大きく変わろうとしていた時期だけに、Dallas Austinは次の1手として未来的なコンセプトを掲げたのでしょうが、『Life On Earth』のアートワークだけ見ると「何のジャンルか分からない」と言った意見もあるほどだったので、Vegaに込められた意図がリスナーにまでしっかり届かなかった、というのもこのプロジェクトが失敗に終わってしまった要因の1つではないでしょうか。
TLCのChilli, Vegaの前に[Freeworld Entertainment]からデビューしたラッパーJT Moneyがアルバムには参加、そして何よりDallas Austinが総合プロデュースした実力派グループだっただけに、非常に残念な結果となってしまいました。
Vega
Life On Earth (Digest)
関連記事
・R. Kellyが認め、2Pacのあの曲に参加した伝説のR&BグループTalent。